渡利“リオ”に散る…涙の初戦敗退 2階級増量で挑んだ初五輪
「リオ五輪・レスリング女子フリースタイル75キロ級・2回戦」(18日、カリオカアリーナ)
75キロ級の渡利璃穏(24)=アイシンAW=は初戦の2回戦で敗退した。日本勢は女子の6階級中4階級で優勝し、メダル5個を獲得した。
リオの地で“リオ”が散った。五輪初出場の渡利は初戦の2回戦で14年世界選手権2位のダシルバフェレイラ(ブラジル)に3-4で敗れ、敗者復活戦に回ることもできなかった。全6階級に出場した日本女子の中でただ一人メダルなしに終わった。
観客が会場の床を踏みならしながら地元選手に声援を送る完全アウェーの中で逆転負け。「メダルを取れなかったのは本当に悔しい」と、こぼれ落ちる涙を何度も拭った。
本来は63キロ級だったが、川井に代表の座を奪われ、一度は五輪を断念しかけた。それでも、わずかな可能性に懸け、代表の座が空席だった75キロ級への階級変更を決意した。
2階級上げたことで12キロ増量した。1日5食計6~7000キロカロリーを摂取し、食後にはプロテインも。「とにかく詰め込んで最後は流し込む」毎日だった。何度も吐き、眠れない日々も過ごした。過酷な増量に耐えてつかんだ五輪切符だったが、メダルの夢はかなわなかった。
今後については「自分の体と相談しながら決めていきたい」としたが、栄チームリーダーは63キロ級に戻すことを明言。渡利は「五輪のメダルは憧れ。もう1回チャンスがあるなら出たい」と、4年後の東京五輪を見据えた。