荒井の銅を取り戻した陸連の“速攻” 日本から映像入手、理詰めで主張
「リオ五輪・男子50キロ競歩」(19日・ポンタル周回コース)
日本の荒井広宙(28)=自衛隊体育学校=が紆余曲折の末に銅メダルを獲得した。残り1キロを切ってからカナダの選手を荒井が妨害したとして一度は失格となったが、ここで光ったのが日本陸連の対応の早さだった。
レース30分後にカナダ陣営の抗議が認められ、一度は荒井の失格が確定したが、日本側はすぐに上訴。スタッフが日本からレース映像を手に入れ、時系列ごとに問題点を洗い出し、日本側の主張を文章にして提出した。カナダのダンフィーのヒジが先に荒井に接触していること、接触に関係のない場面でダンフィーがよろめいていることなどを特に強調し、訴えた。
上訴審議終了後、陸連スタッフの携帯にショートメールで荒井の3位が確定したというメールが届いた。レース終了後から3時間半が経過していた。天国から地獄に突き落とされ、そして天国へと舞い戻った荒井は「陸連の方々が諦めずに対応してくれてよかった」と、感謝していた。
荒井は3時間41分24秒の3番目でゴールしていた。