やり投げ新井 胸張れ11位 「理想求めすぎた」試合後には涙

 「リオ五輪・陸上男子やり投げ・決勝」(20日、五輪スタジアム)

 男子やり投げ決勝で、メダル獲得が期待された新井涼平(25)=スズキ浜松AC=は79メートル47にとどまり11位に終わった。レーラー(ドイツ)が90メートル30で優勝した。

 会心の雄叫びは、最後まで響くことはなかった。意地をかけて臨んだ3投目は力をうまくやりに伝えられず、浮き上がって失速。予選を4位通過し、メダルの期待もあった新井だったが、2投目の79メートル47が最高。4投目以降に進めず、決勝進出者12人中11位に終わった。「すみません。応援してくれた人に申し訳ない気持ちでいっぱい」。試合後は座り込んだまま動けず、涙に暮れた。

 予選の好記録が思わぬ副作用を生んだ。全体の4番目の84メートル16で一発通過。「あの投げであそこまで飛ぶとは思わなかった」。表彰台に向けて、踏み込む足への体重の乗せ方などを修正しているうちに全体のバランスを崩した。競技中も試行錯誤が続き「できること以上の理想を求めすぎた」と唇をかんだ。

 今冬から筋力強化をさらに徹底した。100メートルで11秒3台のスピードを身に付け、得意の助走が進化。風邪をひきやすく、継続して練習できないこともあったことから、食事の際にはヨーグルトを口にするなどして体質改善を図った。移動中はマスクを着けるなど基本的な生活態度から改めた。

 初めての夢舞台で、気持ちが空転した。ただ、まだ25歳。この2年で急成長したやり投げのエースは「この経験をばねにして次につなげたい」。涙を拭き、前を向いた。

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