猫ひろし最下位免れ「ニャー」でゴール 完走140人中139位「最高でした」

139位でゴールし観客に向かい万歳する猫ひろし=リオデジャネイロ(撮影・棚橋慶太)
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 「リオ五輪・陸上男子マラソン」(21日、サンボドロモ発着周回コース)

 お笑いタレントでカンボジア代表の猫ひろし(39)=本名・滝崎邦明=は、2時間45分55秒で、139位で完走した。最後は最下位のアブドレ・メスカル(ヨルダン)とのデッドヒートを制し、持ち芸の「ニャー」をしながらゴール。メスカルは2時間46分18秒で、わずか23秒差だった。出場した155選手中で、完走した選手の中では下から2番目(リタイアが15選手)だったが、初めての五輪の舞台で、最後まで走り抜いた。

 ゴールすると、スタンドの観客をあおり、カンボジア大コールが巻き起こった。猫は満面の笑みを浮かべて「ニャー」を連発し、観客に応えていた。

 ミックスゾーンでは「42キロ、最高でした」と振り返る一方、「選手としてタイムは良くなかった。もうちょっと粘りたかった」と反省を口にした。「カンボジアの人も日本の人、ブラジルの人も応援してくれて、ありがとうと言いたい。最後はきつかったけど、絶対に歩かないようにと頑張りました」と、最後まで走り通す意地を見せた。

 猫は5キロ通過時点が17分58秒で、トップから2分30秒近く遅れた最下位。しかし10キロでは、最下位のヨルダン選手に35秒差を付けて1つ順位を上げた。その後もリタイアする選手が出る中で、ジワジワと順位を上げた。

 猫は五輪代表を目指し、2011年にカンボジア国籍を取得。12年ロンドン五輪の同国代表に一度は選出されたが、国籍を取得してから短期間であることがネックとなり、出場が認められなかった。やっと立った五輪のマラソンコースを、42・195キロを走り抜いた。

 金メダルはエリウド・キプチョゲ(ケニア)で、2時間8分44秒。銀メダルはフェイサ・リレサ(エチオピア)、銅メダルはゲーリン・ラップ(米国)に決まった。日本の佐々木悟は16位、石川末広は36位、北島寿典は94位でゴールした。

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