【リオ五輪検証】躍進のラケット種目と低迷する団体競技 陸上は「明暗」くっきり
「リオから東京へ 検証ジャパン(2)」
メダルを量産した柔道、競泳、体操、レスリングの“御四家”に負けじと今大会で躍進が際だったのが卓球、バドミントン、テニスのラケット種目だ。
中でも卓球はロンドン五輪団体で銀メダルを獲得した女子に続き、男子が大ブレーク。エースの水谷がシングルスで日本勢初の銅メダルを獲得。団体でも中国に迫る銀メダルで注目を浴びた。女子は団体で2大会連続メダルとなる銅。チームをけん引してきた福原の去就は流動的だが、成長著しい15歳の伊藤が大一番を経験。補欠として帯同した伊藤と同学年の平野美宇ら若手の台頭もあり、東京ではさらなる飛躍が期待できる。
バドミントンは女子ダブルスの高橋、松友組が、日本バドミントン界初の金メダルを獲得。女子シングルスの奥原も銅メダル、山口が8強入りと、若手が存在感を見せたのも頼もしい。テニスは錦織が96年ぶりのメダルとなる銅メダルに輝いた。4年後は30歳と円熟期を迎えるエースは、頂点も十分狙える。
一方で低迷したのが団体球技だ。新種目のラグビー7人制男子の4強入り、12年ぶり出場のバスケットボール女子の8強入りは健闘したが、前回銅メダルのバレーボール女子は同じく8強入りも上位国との力の差は大きく開いた。前回4位のサッカー男子も1次リーグ敗退と振るわなかった。サッカー女子など出場権すら逃すチームも多かっただけに、立て直しが求められる。
陸上はジャマイカに迫り、米国を退けた男子400メートルリレーの銀メダルと、競歩界初のメダルとなった男子50キロ競歩の荒井の銅メダルが光る。ただ、目標はメダル1、入賞5だったが、メダル2、入賞2と全体的な底上げは示せなかった。男女マラソンなど惨敗が多く、結果が二極化しているのが気掛かりだ。(五輪取材班)