渡部暁斗W杯今季4勝目!個人総合首位!3連戦「トリプル」全勝
「ノルディックスキー・W杯複合個人第12戦」(28日、ゼーフェルト)
3日間、3試合の総合成績で競う「トリプル」最終戦を兼ねて行われ、平昌五輪代表の渡部暁斗(29)=北野建設=が3連勝で今季4勝目、通算13勝目を挙げた。1シーズン4勝は自己最多タイ。昨年11月の今季第3戦以来の個人総合首位にも返り咲いた。前半飛躍で首位に立ち、2位に48秒差をつけた後半距離(15キロ)も独走。日本勢初の複合個人金メダルを目指す五輪に向け、確かな手応えをつかみ取った。
複合のW杯でハイライトの一つといえる、3連戦の「トリプル」を渡部暁が全勝した。好調の飛躍を武器に平昌五輪へ弾みをつけ「手応えはある。距離の調子がもう少し上がれば、すごく楽しくなるんじゃないか」と自信をのぞかせた。
最大の勝因は前半飛躍で好位置につけたことだ。3連戦の最後は得意のジャンプが2回となる上、前日の成績が得点に反映される。2連勝中の渡部暁は104メートル、103メートルを飛び、後半は一人旅。2位に1分14秒9の大差をつけ、右腕を突き上げゴールした。
3戦計4回のジャンプの得点は1位が1度、2位が2度、3位が1度と高いレベルで安定。以前は踏み切りの動作で一度膝が前に沈み、すねが倒れて力をロスする傾向にあった。だが、今はその癖を指摘した日本の河野孝典ヘッドコーチも「あまり気にならなくなってきた」と言う。取り組んできた飛び出しの改善が実を結んでいることが証明された。
一方、後半距離は1人で走るケースが多く、競り合ったのは第1戦の終盤くらい。本人も「追い込んだ時にペースが落ちないように走れるかは分からない」と慎重で、もう少し走力の向上が必要と感じているという。
2月3、4日の次のW杯2連戦は海外の有力選手の多くが出場を回避する可能性が高い。フルメンバーで戦う五輪前最後の機会で勝った意味は大きい。W杯の個人総合でも首位に立った。複合の日本勢として初の個人金メダルに挑む五輪へ「まずはいいジャンプをすること。それが一番大事」と力強く話した。