渡部暁斗 五輪前ラスト3位も「最高の形」 追走展開経験を糧に
「ノルディックスキー・W杯複合」(4日、白馬村)
平昌五輪前最後の試合が行われ、五輪代表で個人総合首位の渡部暁斗(29)=北野建設=は5連勝を逃し、3位だった。前半飛躍で116メートルの8位と出遅れ、首位と1分17秒差で出た後半距離で追い上げたが、今季6勝目には届かなかった。表彰台は6戦連続。ヤン・シュミット(ノルウェー)が飛躍7位から逆転し、今季3勝目、通算5勝目を挙げた。
渡部暁は前半飛躍での出遅れが響き、ライバルに屈して5連勝を逃した。ただ3試合連続で独走勝ちが続いており、本番前に追い掛ける展開を経験できた意味は大きい。「ある意味、最高の形」と前向きに捉えた。
年明けから抜群の飛躍を見せていたが、この日はK点(120メートル)の4メートルも手前に落ちた。河野ヘッドコーチは「難しい条件と失敗が重なった」と指摘する。飛び出しの方向が少し前になったミスに加え、不利な追い風にもたたかれ、8戦ぶりにトップ5を外した。
首位と大差で出た後半距離はシュミットと懸命に先頭を追った。だが「もう少し緩急をつけられればよかった」と反省したように、久々の追う展開でペースをつかめず体力を消耗。ゴール直前の急な上りでシュミットがトップを捉えたのとは対照的に、4位と0秒1差で表彰台を確保するのが精いっぱいだった。
あとは、この経験を五輪本番にどう生かすか。個人総合首位で平昌に乗り込む日本のエースは「(自分は)金メダルにふさわしい選手だって言える」と堂々と口にした。