沙羅、金メダル射程は106・5メートル 「タイミング合えば飛距離でる」
「平昌五輪・スキージャンプ女子ノーマルヒル」(12日、アルペンシア・ジャンプセンター) 悲願の金メダルを狙う高梨沙羅(21)=クラレ=が現地入り後、2度目の公式練習に臨み、1回目で103メートル、2回目でこの日の最長不倒となる106・5メートルを飛び、いずれもトップの得点をマーク。今季のW杯総合首位で、最大のライバルとなるマーレン・ルンビ(23)=ノルウェー=はこの日はオフで姿を見せなかったが、難敵のいない間に、さらなる上昇気配を漂わせた。もう1人のエース、伊藤有希(23)=土屋ホーム=も快ジャンプを連発し、メダル獲得へ調子を上げてきた。
まだ安定感はなくても、着実にかつての強さを取り戻しつつある。沙羅は風が目まぐるしく変わる難しい条件の中、1、2回目でそれぞれトップの得点をマーク。2回目はこの日の最長不倒となる106・5メートルの大ジャンプを披露した。
「1、2本目はまずまず。アプローチから踏み切りにかけて、スムーズに乗れている」。3本目は「スタートの合図がよく見えず、もたついてしまって」と慌てて飛んでしまい、98メートルに終わったが、明らかな失敗ジャンプでも全体3位。「アプローチをしっかりくんでタイミングが合えば、飛距離は出る」と自信を口にした。
今季はここまでW杯未勝利と苦しんできたが、明らかに調子は上向いてきている。最大の難敵となるルンビはこの日はオフ。ノルウェーのチーム関係者は「今日、マーレンはレスト(休み)だよ。昨日、フィジカルを追い込んだからね」と説明。沙羅のジャンプを見届け「いいジャンプを飛んでいたね」と警戒感を示した。
涙の4位に終わったソチ五輪から4年。金メダルは十分に射程圏内にある。前日には開会式に出席し「日本の名前が呼ばれて、スタジアムに歩いて入っていく時に鳥肌が立った。日本代表としてこの場に立てたことを改めて実感させてもらった。誇りに思うし、こういう場に立てるのも周りの人の支えのおかげ。最後はしっかり恩返ししたい」と改めて“結果”への思いを強くした。
雪辱を期する舞台まであと2日。「今日の練習をしっかり糧にして、本番につなげていきたい」。心・技・体の最終調整に入る。