平野、決勝は“超大技”で金1号だ!予選モードで余裕の3位通過

 「平昌五輪・スノーボード男子ハーフパイプ・予選」(13日、フェニックス・スノーパーク)

 ソチ五輪銀メダリストの平野歩夢(19)=木下グループ=は、決勝に向けて難易度を落とした構成ながら、完成度の高い演技で95・25点をマークし、3位で14日の決勝に駒を進めた。06、10年五輪金メダリストのショーン・ホワイト(米国)が98・50点で首位通過し、世界王者のスコッティ・ジェームズ(豪州)が96・75点で2位。決勝では三つどもえの争いが予想され、平野には今大会の日本人金メダル1号の期待が懸かる。片山来夢(22)=バートン=が5位、戸塚優斗(16)=ヨネックス=が10位で決勝進出。ソチ五輪銅メダリストの平岡卓(22)=バートン=は13位で予選落ちとなった。

 余裕タップリの空中浮遊は、4年前には届かなかった頂点への可能性を十分に感じさせた。先日のXゲームで史上初めて成功させた4回転の連続技を披露しなかった平野だったが、難易度を落とした構成を精度高く完遂し、95点超えの高得点をマーク。盤石の形で決勝に駒を進めた。

 「まあいつも通り、予選に合わせた滑り。五輪だけど特別変わった雰囲気はない。知り合いや日本の人が多いので、モチベーションを上げられる」とクールに振り返った。

 予選から有力選手が果敢に回転数の多い技を繰り出し、上位5人が90点超えのハイレベルな争いとなった。ただ、平野はどこまでも冷静だ。「技は(決勝に)取りためてある。みんな気合入って、着々と決勝に向けてトライしている。いいことだと思う」とサラリ。自身の演技の後、ホワイトがたたき出した98点超えのハイスコアを見ても、少しも表情は変わらなかった。

 「当然、98点は出る滑りをしていた。それなりの点数なのかなと。出ると思いましたよ。98点ぐらい」とそっけなく言った。Xゲームで99点をマークした平野、W杯で100点を記録しているホワイト、そして世界王者のジェームズの3人は、決勝に向けてそれぞれ技を温存していた。決勝では史上空前のハイレベルな争いが繰り広げられる。

 決勝では必殺の「フロントサイドダブルコーク1440」からの「キャブダブルコーク1440」という4回転の連続技を解禁する。「結果をというより、自分の滑りをすれば、結果になる。それぐらい高い難易度のものを決勝でやりたい」。今季のテーマは『圧倒的に勝つ』。日本のエースの自信は揺るがない。

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