ホワイト3度目の金で男泣き…最終ランで平野を逆転「幸せすぎて言葉がでない」
「平昌五輪・スノーボード男子ハーフパイプ・決勝」(14日、フェニックス・スノーパーク)
最終滑走のショーン・ホワイト(31)=米国=が3回目に97・75点をマークし、トップに立っていた平野歩夢(19)=木下グループ=を逆転。06年トリノ、10年バンクーバーに続く3度目の金メダルを獲得した。平野は前回ソチ五輪に続いて銀メダル。日本勢では片山来夢(22)=バートン=が7位入賞。戸塚優斗(16)=ヨネックス=は2本目に大転倒し、3回目を棄権して11位だった。
まさにスーパーヒーローの滑りだった。首位平野を追い、最終ランに臨んだホワイトは、平野と同じく縦2回転横4回転のダブルコーク1440(DC14)を2度、3回転半を2度組み込んだ構成を完遂。1本ごとのエアの度に巻き起こる大歓声に乗り、大逆転で頂点へと返り咲くと、ヘルメットを放り投げ咆哮(ほうこう)し、むせび泣いた。
昨年10月の練習中に顔面を62針縫う大けがを負ったが、恐怖心を乗り越えた奇跡的な復活劇。DC14を連発で組み込む構成はケガをしたときと同じ。この日の朝はやらない予定だったが、直前に平野が決め、「アユムのおかげでできた」と12歳下のライバルの存在に奮い立った。
年収11億円ともいわれる冬季競技最大のスーパースターにとっても、五輪の金メダルは格別。これが米国冬季五輪通算100個目の金メダル。「幸せすぎて言葉がでない。クレイジーなケガを乗り越えてここにきた。驚いているし、最高だよ」と、歓喜に浸った。