北村弁護士はコワくない!その素顔は…
弁護士・北村晴男氏(57)の、テレビに出始めたころの“怒りキャラ”的イメージは、その後、人柄が明らかになるにつれ、かなり解消されただろう。それでも、気難しいという印象を持つ人もいるかもしれない。
その北村弁護士の主催による「第4回震災孤児支援プロアマチャリティコンペ」が先日、千葉県内のゴルフ場で行われた。「続けることが大事、と思ってやっています」という同会は数えて4回目となった。
ゴルフ好きで知られる北村弁護士。また、本業やプライベートでもそうだが、テレビ出演などを通じ、各界にまたがって顔が広い。
そうした友人たちからコンペ立ち上げの要請は以前から受けていたが「面倒くさいと思ってやらなかったんですよ。そうしたら、震災が…」。2011年の東日本大震災を受け、北村弁護士はチャリティーコンペを立ち上げた。
「直後の、『ゴルフなんてやってる場合じゃない』という雰囲気。しかし、萎縮するのもどうか。空元気でもいいから、元気を出そう、と思って」というのが立ち上げの理由だ。
チャリティーの寄付先は「他の機関と比べて非常に機動的で、また震災孤児という共感できるところに確実にお金がいくから」という理由であしなが育英会に即決。
参加者に加え、今回参加がかなわなかったが、会に賛同する人たちも快く商品などを提供。タレントの明石家さんま、巨人・原監督、プロボクサー・亀田興毅なども協力し、127万円あまりの寄付が集まった。4度のコンペで500万円以上が支援に使われたことになる。
このコンペには、もう一つ狙いがある。全組に、プロゴルファーが1人、入れることで「喜びが何倍にもなるんですよ」と北村弁護士。
アマチュアとしては、プロのプレーを目の当たりにでき、またじかにレッスンを受けられる。ここでできた縁で、レッスンを続けたり、試合に応援に行ったり、スポンサーになるアマチュアも出てきたという。
「今回はトーナメント開催中で、無名の選手が多かったのですが、それでも今後の飛躍を目指す若手もいれば、シニア競技で頑張るベテランも来てくれました。そうしたテレビに映らないようなプロがどういうものか、アマチュアに分かってもらえるし、つながりもできます」と、ゴルフ界への理解を深める手助けとなることも織り込んでいるのだ。
アマチュアゴルファーも、プロゴルファーも、もちろん震災孤児たちも、全方位的に喜びにあふれるチャリティーゴルフコンペ。
笑顔が増えれば、運も巡ってくるのか、今やトッププロとなった小田孔明や、一昨年のマイナビABCでプロ初勝利を手にした河野晃一郎、同年のフジサンケイクラシックで初Vの諸藤将次らは不思議と、このイベントに参加後、勝利するという縁起のいいコンペとしても、知られるようになってきた。
「より発展させるために多少、形を変えながらでも、できる限り長く続けていきたいですね」と笑う顔には“気難しさ”などみじんも感じられない。
2011年、大切さやありがたみが再確認された『絆』の言葉は今なお、北村弁護士の周囲でたしかに息づいている。
(デイリースポーツ・西下純)
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