ドラフトの宝庫、大阪桐蔭「強さの連鎖」
今秋ドラフトの目玉だった大阪桐蔭・森友哉捕手(3年)は西武1位で入団が決定した。同校は2010年のロッテ・江村、11年の阪神・西田、12年の阪神・藤浪、そして今秋の西武・森と、4年連続ドラフトでプロ選手を出している。
それ以前も西武・中村、阪神・西岡、日本ハム・中田らを輩出。また今夏まで4季連続甲子園出場という実績は、大阪ではPL学園の6季に次ぐ記録だ。
この強さと選手育成は、西谷浩一監督(44)らスタッフの指導だけでなく、現役プロ卒業生による「強さの連鎖」といえるだろう。
05年から、プロ選手は所属連盟への事前届け出を済ませれば12月1日~翌年1月31日の期間内、母校での練習参加が可能になった。
多くのプロ野球選手は年末年始に本拠地から地元へ帰り、各地で自主トレを行う。中でも、大阪桐蔭グラウンドで汗を流すOBの顔ぶれは特に豪華だ。
西岡、中田、藤浪ら今をときめくプロ選手が入れ代わり立ち代わりグラウンドを訪れる。当然、練習する高校生も気が引き締まり、練習への取り組みも変わる。「僕も甲子園に出て、プロへ行きたい」という気持ちも現実的になるだろう。
西谷浩一監督(44)は「打ち方や投げ方、取り組みなど見るだけで勉強になる」と話している。体力作り中心の単調で厳しい冬トレーニングの時期に、プロのOBが与えてくれる刺激と向上心。大阪桐蔭ナインは「生きた教科書」を間近で見ることができるのだ。
(デイリースポーツ・中野裕美子)