日本のメダルは…新採用フィギュア団体戦
2月7日に開幕するソチ冬季五輪。開会式前日の6日から競技が始まり、日本のメダル獲得の期待が懸かるのが、今大会から新たに採用されたフィギュアスケート団体戦だ。各国選手団の“顔”ともいえる選手が登場しそうで、序盤から大いに盛り上がりそうだ。
競技は出場権を獲得した10カ国で争われ、男子、女子、ペア、アイスダンスの4種目で、それぞれに与えられる順位ポイント(1位10点、2位9点、3位8点…10位1点)の合計で順位を決める。SP終了時点の上位5カ国が、フリーに進出。個人戦に2人(組)以上が出場する場合はSP、フリーで選手入れ替えが可能となっている。
日本は10カ国中4位え出場権を獲得。他の出場国はカナダ、ロシア、アメリカ、イタリア、フランス、中国、ドイツ、ウクライナ、イギリス。中でも日本のメダル争いのライバルとなるのは、男子シングル、アイスダンスで上位が見込めるカナダ、4種目ともバランスの取れた戦力を誇るロシア、女子シングル、アイスダンスの層が厚いアメリカの3強だろう。
各国の戦力は次の通り(カテゴリー下の数字は個人戦出場枠)。
【日本】
●男子シングル(3)
羽生結弦(13年GPファイナル優勝)
高橋大輔(10年バンクーバー五輪3位)
町田樹(13年GPファイナル4位)
●女子シングル(3)
浅田真央(13年GPファイナル優勝)
鈴木明子(13年全日本選手権優勝)
村上佳菜子(14年四大陸選手権優勝)
●ペア
高橋成美/木原龍一
●アイスダンス
キャシー・リード/クリス・リード
【カナダ】
●男子シングル(3)
チャン(11~13年世界選手権3連覇)
レイノルズ(13年四大陸選手権優勝)
フィラス
●女子シングル(2)
オズモンド(14年カナダ選手権優勝)
デールマン
●ペア(3)
デュハメル/ラドフォード(13年世界選手権3位)
ムーア=タワーズ/モスコヴィッチ(13年世界選手権4位)
ローレンス/スウィガーズ(11年四大陸選手権3位)
●アイスダンス(3)
ヴァーチュ/モイア組(バンクーバー五輪金メダル)
ウィーバー/ポジェ(13年世界選手権5位)
ポール/イスラム
【ロシア】
●男子シングル(1)
プルシェンコ(トリノ五輪金メダリスト)
●女子シングル(2)
リプニツカヤ(13年GPファイナル2位)
ソトニコワ(14年欧州選手権2位)
●ペア(3)
ヴァザロワ/ラリオノフ(14年欧州選手権3位)
ボロソジャル/トランコフ(13年GPファイナル2位)
ストルボワ/クリモフ(14年欧州選手権2位)
●アイスダンス(3)
ボブロワ/ソロビエフ(13年GPファイナル4位)
イリイヌィフ/カツァラポフ(14年欧州選手権2位)
シニツィナ/ジガンシン(14年欧州選手権4位)
【アメリカ】
●男子シングル(2)
アボット(14年全米選手権優勝)
ブラウン
●女子シングル(3)
ゴールド(14年全米選手権優勝)
エドモンズ
ワグナー(13年GPファイナル3位)
●ペア(2)
カステリ/シナピア(14年全米選手権優勝)
ザン/バーソロメイ
●アイスダンス(3)
デイビス/ホワイト(13年世界選手権優勝)
チョーク/ベイツ(13年世界選手権7位)
マイア・シブタニ/アレックス・シブタニ(11年世界選手権3位)
出場選手はISU(国際スケート連盟)の意向で直前まで発表されないこととなったが、日本は当初の選考基準(シングルはSP、フリーの今季ベスト最上位選手を選ぶ。同一選手の場合はフリーは同2番目の選手を選出)通りの布陣で挑むことが濃厚。女子SPは浅田、フリーは鈴木、男子SPは羽生、フリーは町田、ペアは高橋、木原組、アイスダンスはリード組の布陣となりそうだ。
日本はペアの高橋/木原組に国際主要大会での実績がなく、アイスダンスのリード組は昨年の世界選手権20位と上位国との力の差は否めない。メダル獲得には、圧倒的な層の厚さを誇る男女シングルでの上位確保が、絶対条件だ。SPは昨年のGPファイナルを制した浅田、羽生の男女エースでポイントを稼ぎ、フリーに進める上位5カ国に入りたい。フリーは安定感のある鈴木、町田でどこまで上位を維持できるか。男女シングルで1位を奪い、ペアとアイスダンスが踏ん張れば、メダルの可能性は大きく広がってくる。
(デイリースポーツ・大上謙吾)