10球団上陸…沖縄県の取り組みとは
2014年1月31日
プロ野球キャンプのメッカでありながら、期間中に沖縄県を訪れる観光客はあまりにも少ない。昨年6月、地元のりゅうぎん総合研究所は2013年のプロ野球春季キャンプの調査結果を発表した。それによればキャンプ期間中の観光客は29万3000人で、そのうち県外からの観光客は4万3000人。東京ドームでの1試合分の観客数に過ぎない数字だ。EXPO関係者は「キャンプ情報をテレビで見ている人は多いと思いますが、実際、昨年足を運んだのは4・3万人。しかも別の調査結果によれば、キャンプ来場者の9割がリピーターの方だったんです。全国には4~5000万人の野球ファンがいると言われていますが、生のキャンプの魅力を知っている人はほんの少ししかいないのです」と分析した。練習試合が無料で見られることもあまり知られていないという。
逆に言えば、そこに伸びしろがある。キャンプはあくまでシーズンに向けた練習に過ぎない。しかし、その練習がこれだけ長期間、毎日のようにファンに公開され、メディアを通しても情報が発信されるのは野球ならでは。「野球には圧倒的な力があります。その野球ファンにもっとキャンプのおもしろさを知ってほしい」とEXPO関係者は国民的スポーツの持つポテンシャルの高さに期待した。プロの練習内容や指導を至近距離で堪能できたり、ノッカーと選手の掛け合いに耳を傾けたり、選手と触れ合ったり、ペナントレースにはない距離感の近さがキャンプ地の魅力だが、それは他の地域がなかなか真似できない観光コンテンツでもある。
EXPOの目玉として、メインベースや各キャンプ地ブースなどで使用できる特典付きの「プレミアムパス」を販売し、その収益を球団や協力会に配分する仕組みを取り入れながら、来年以降も事業として継続的に続けていく考えだという。まずは県外からの観光客を昨年の4万3000人から少しでも増やしていくことが目標で、「今年しっかり話題づくりをして、来年以降につなげていきたい」とEXPO関係者は2月1日に備える。(デイリースポーツ・松森茂行)