阪神春季C見どころは「りょーた対決」

 2月1日から阪神の沖縄・宜野座キャンプがスタートした。見どころの1つが、新井良太と今成亮太による三塁の定位置争いだ。球団から“Wりょーた”として売り出される2人が今季は激しく火花を散らす。

 境遇はよく似ている。ともに他球団からの移籍組。古巣ではチャンスに恵まれなかったが、阪神へのトレードが転機となった。ファン、メディアの目が厳しく控えめな選手が多いチームの中で、2人の存在感は際立っている。今では生え抜き選手に勝るとも劣らない人気者だ。

 昨季、V逸の1つの理由が三塁を固定できなかったこと。出場数とスタメン出場数は以下の通りだ。 新井良94試合(スタメン88試合)、坂55試合(スタメン26試合)、関本34試合(スタメン2試合)、コンラッド17試合(スタメン16試合)、黒瀬9試合(スタメンなし)、西岡7試合(スタメン7試合)、野原3試合(スタメン3試合)、上本3試合(スタメン2試合)。開幕戦はコンラッドが三塁を守ったが、期待はずれに終わると最後まで固定できなかった。昨季、優勝した巨人は村田が全試合出場だ。レギュラー固定が今季の優勝を近づける。

 実績は新井良に軍配が上がる。一昨年のシーズン途中、「4番・三塁」に定着。昨季は「開幕4番・一塁」を務め、プロ入り最多の14本塁打を放った。パワフルな打撃が魅力だが、一方で打率・238と振るわなかった。シーズン序盤にケガで離脱すると、途中からは坂らと併用され、最後まで三塁のレギュラーを取り戻すことができなかった。今季は再び定位置奪取を狙う。

 新井良に挑むのが、巧みなバットコントロールを持つ今成だ。昨年の春季キャンプ。今成は外野守備を強化するため安芸にいた。シーズンでは故障離脱した福留の穴を埋める活躍を見せるなど、特に7月は絶好調。一時、外野の定位置を奪ったように見えた。だが、福留が復帰すると再びベンチへ。打撃の調子も下降し、終盤は2軍落ちも経験した。

 それでも、CS前に1軍に復帰。ファーストS初戦ではシーズン中、9打数5安打と好相性を誇った広島のエース・前田健太から、タイムリーを放った。前田健は「今成さんはいいバッター。シーズンを通して試合に出たら必ず数字を残す」と絶賛する。

 シーズン終了後、首脳陣はその打撃を生かすため、三塁への挑戦を決断した。2年前、日本ハムから阪神に移籍したときは捕手。昨年は外野、今季は三塁を守る。

 秋季キャンプで今成は掛布DCから、“小掛布”と命名された。一方の新井良は“小ミスター”だ。

 3月28日の巨人との開幕戦。どちらの「りょーた」が東京ドームのスターティングボードに名を連ねるのか‐。春季キャンプでは、三塁が言葉通りの「ホットコーナー」だ。(デイリースポーツ・杉原史恭)

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