大瀬良の人気…その理由を考察する

 広島のドラフト1位・大瀬良大地投手(22)=九州共立大=の人気の高さを、この春季キャンプで実感している。カープのグッズ売り場では、新人ながら背番号入りにユニホームやタオルが販売されていることに驚く。さらに、ユニホーム姿や、グッズを手にしているファンの多さには、もっと強い驚きを覚えている。

 2月1日から19日まで行われた宮崎・日南キャンプ。グッズ売り場の関係者は「選手関連の商品では大瀬良が全体売り上げの50%。マエケンが25%。その他の選手を合わせて25%です。新人でこれだけ売れるのは、10年ほどここで店を続けてますが、初めての経験です」と話した。

 堂林、野村、菊池、丸など、人気選手が数多くいるカープだが、先の売り場関係者は「大瀬良は子どもにも、男性にも、女性にも、年齢に関係なく満遍なく売れる」と話す。長崎日大高で甲子園に出場し、日南が同じ九州にあることを差し引いても、大瀬良の人気は老若男女を問わないことが大きな特徴。その理由を考察してみた。

 まずは実力、とにかく前評判が高い。九州共立大では3季連続でMVPを獲得。昨秋の侍ジャパンの台湾遠征メンバーに入り、勝利投手にもなった。ドラフトではヤクルト、阪神、広島の3球団が競合。今季の新人王最有力好捕で、野球の実力を重視するファンの受けはいいだろう。

 そしてルックス。自ら「カピバラに似ていると言われる」と、話したことがある癒やし系で、優しく温厚な雰囲気は万人受けすること必至。見た目でも応援しがいのある選手であることは、間違いないだろう。

 もう一つは人柄。取材をしていて驚くが、こちらの質問に、嫌な顔をするのを見たことがない。嫌みではなく「いつも報道していただき、ありがとうございます」と、口に出せるプロ野球選手は、自分の経験では初めてのことだった。その姿勢は紙面、テレビのインタビューなどを通じても、世間に浸透しているように思う。野球に特別な関心を持たない層にも、好感を持たれているのは間違いないだろう。

 大瀬良の人気がさらに沸騰するために、今後求められることは結果だ。シーズン開幕後に順調に白星を積み重ねていけば、大瀬良フィーバーが発生することは確実。「ファンの方々を見ると不思議な気持ちになる。この期待を裏切らないようにしたい」とは大瀬良。明るい話題で忙しくなることは、記者みょうりに尽きる。その熱気を、ぜひ感じてみたいと願っている。(デイリースポーツ・山本鋼平)

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