菅野とともにG投のカギを握る投手とは
プロ野球が開幕した。巨人は菅野を開幕投手に立て、12‐4の大勝。巨人入団2年目以内での開幕投手勝利は60年の伊藤芳明以来、54年ぶりの快挙となった。
試合後、充実感はあるかと問われ「今はないですね」と否定。「今日のピッチングでは開幕投手に選んでくれたスタッフ、ファンの皆さんも納得してくれない。これからが重要になる」と気持ちを引き締めた。
原監督は、1年間を通じてエース級の働きができる選手を開幕投手に選んできた。今年は菅野を大黒柱として戦っていくことになるが、菅野とともに投手陣の浮沈のカギを握るのが、その菅野と最後まで開幕の座を争った内海だろう。
巨人のエース、投手陣のまとめ役だが、オープン戦は乱調だった。初登板の2月22日のDeNA戦では2回8失点。開幕まで2週間を切った16日のソフトバンク戦でも5回8失点と乱れた。
オフから「開幕を狙うのは当たり前」と公言してきた。それだけに悔しさも当然あっただろう。だが、原監督が開幕投手を菅野と公言した翌日、「決まった以上は言われたところでやるのが仕事」とし、「智之はピッチャーとして一流。精神的なサポートができれば」と話す姿は実に潔かった。
今季のケースと同様のことが2011年にあった。この年、内海は沢村、東野(現オリックス)と開幕の座を争った。だが、3月13日の阪神との練習試合で5回7失点と崩れた。この結果も影響し、開幕投手は東野に譲ったが、内海は決して沈まなかった。
開幕2戦目に先発し7回2/3無失点で初勝利を挙げると、シーズン中盤の7連勝を含む18勝をマーク。巨人の左腕投手としては42年ぶりとなる最多勝を獲得。防御率も自己最高の1・70を記録した。悔しさをバネに結果で存在感を見せつけた。
それから3年。あの年と同じく巻き返しへの意欲も並々ならぬものがあるに違いない。その内海の今季初登板は4月1日のDeNA戦が濃厚。リーグ3連覇、日本一奪回のためには左腕の快投は不可欠。内海の投球は、今季の巨人の注目ポイントの一つといっていいだろう。
(デイリースポーツ・野畑圭司)