巨人・菅野 2年目で漂うエースの風格
リーグ3位で4月を終えた原巨人。マシソン、山口、西村の勝利の方程式などリリーフ陣の不振もあった中で、奮闘したのが菅野智之投手だ。
成績は文句のつけようがない。ここまで6試合に先発し2試合連続の完投を含む5勝0敗、防御率1・89をマークした。4月までに早々とセ・リーグ全球団から白星もゲットした。
当然、慢心も全くない。当の本人は常々、「できるだけ長いイニングを投げる。試合で勝つ。それだけを目標に」と言い切る。個人の記録にはあまり興味は示さない。チームの勝利を最優先する考えを貫いているのは自覚の表れだろう。
巨人には内海、杉内という百戦錬磨の先輩投手もいる。だが菅野は2年目にして早くもエースの風格が漂う、と言っても過言ではないだろう。巨人でエースを担ってきた斎藤投手コーチも「軸で回ってくれている。これからもそうなるでしょう」と目を細める。
投げるだけではない。投手ながら、ここまで打率・235で送りバントも確実に決める。攻撃面でも貢献していることは間違いない。だからだろう。原監督は「まだできる可能性を持っていると思います」と明言している。菅野に対して無限の可能性を感じているようだ。
巨人軍の将来の“絶対的エース”候補でもある右腕。注目すべきは今季、連勝がどこまで伸びるか、だ。連勝を続ける上で“強運”を持っているかどうかも無視はできない。
菅野は、4月29日のヤクルト戦で完投目前の九回に逆転の3ランを浴びたが、その直後に味方が逆転サヨナラ勝ちをしてくれた。原監督も「ツイていた、という部分は大事にしてもらいたい」と話していた。菅野に勝たせたい、というチームが一丸になっての勝利。
右腕もこの“貴重”な1勝を胸に刻む。チームの勝利だけを目指し、若い力で突き進むつもりだ。
現ヤンキースの田中は楽天に在籍した昨季、開幕24連勝をマークした。マー君が飾った偉大な記録にどこまで近づけるのか、にも注目が集まりそうだ。
(デイリースポーツ・伊藤玄門)
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