カープ女子 今度は首都圏“逆輸入”を
首都圏で注目を集める「関東カープ女子」が、聖地からの“逆輸入”を提案した。
5月10日、デーゲームで行われた広島‐中日戦(マツダスタジアム)。左翼側パーティーベランダ席は、超ハイテンションな熱気に満ちていた。関東在住の広島ファンの女性を対象に、東京‐広島間の往復新幹線代金を球団が負担する太っ腹企画に当選した、148人の「関東カープ女子」が集結していた。
応募総数は2305人。約15倍の抽選を射止めた内訳は以下の通り。
〈年齢〉
10代以下…7人
20代…62人
30代…43人
40代…29人
50代…6人
60代…1人
〈居住都道府県〉
東京…91人
千葉…13人
神奈川…27人
埼玉…14人
茨城…1人
栃木…2人
参加者の負担は入場券と昼食代の6500円のみ。女性スタッフの発案を松田元オーナーらが採用して、JR西日本、資生堂などが企画に賛同したことで実現。化粧品のプレゼントや、昨年限りで引退したOBの前田智徳氏が試合開始前にサプライズゲストに登場するなど、盛りだくさんの内容だった。
試合も打線が爆発して快勝。試合後のヒーローインタビューでは、先発したエース前田健太投手が「関東からカープ女子が来てくれたということで、勝てて良かった。応援ありがとうございました」と、肉声を届ける粋な計らいもあった。
参加者も大満足だった。「前田さんと話ができて、本当にうれしい」「マツダスタジアムがきれいな球場で、スタンドも赤一色ですごかった」などなど、喜びの声ばかりだった。
そんな中、東京から来た女子大生が「広島に暮らすカープ女子が神宮球場や横浜スタジアムの左翼スタンドに来て、私たちと一緒にカープを応援してほしい」と、語っていた言葉が印象に残った。
確かに、神宮ではヤクルトファン、横浜ではDeNAファンを上回っているのではないか、と思えるほどの大勢のカープファンが、左翼、三塁側スタンドを占拠しているのが現状。広島の「地元カープ女子」にとっても、新たなカープの魅力を知る機会になることは、間違いないように思える。
問題はこの企画の実施先だ。広島球団自体には特段メリットがない。ヤクルト、DeNAが企画するのも筋が違うだろう。ぜひ意欲的な旅行業者が、目を付けてほしいと、思っている。
(デイリースポーツ・山本鋼平)