巨人、チーム力70%での交流戦V
今季の交流戦で2年ぶり2度目の優勝を達成した巨人。阿部、村田らの枢軸が本調子ではなく、左腕エースの内海が左肩違和感のため交流戦中に離脱。交流戦中に故障から復帰した亀井がMVPを獲得するほどの活躍を見せたこともあるが、チームが束になって優勝をもぎ取った形だ。
原監督は交流戦優勝後に「チームとしてはまだまだ70%ぐらいだと思います。まだできるチームだと思います」と言った。優勝してもチーム力は「70%」。これは紛れもない本音だろう。
残りの30%について指揮官は「打線だと思う」と明言している。
交流戦の巨人のチーム打率は・255だった。交流戦で最下位だった広島と同じチーム打率だ。そして打率・301のソフトバンク(交流戦の順位は2位)とは、大きな差があった。
打てないのならば粘って、僅差の試合をものにする。それが、交流戦で7試合の1点差勝利につながった。“不思議な勝ち”と言ってもいい試合もあった。5月31日のオリックス戦。金子に手も足も出ず、9回を無安打に抑え込まれる屈辱を味わった。だがこの試合は延長十二回を戦い1‐0で勝った。
原監督は「ノーヒットノーラン(の5月31日)は、耐えて勝つ、だね」と苦笑いを浮かべていた。だが当然、それが理想の形ではない。「耐えたくないね」と思わず本音も口にしている。
理想の形とは、自慢の強力打線が相手投手を粉砕し、相手チームを圧倒して勝つ、ことだろう。「先制、中押し、だめ押し。勝つセオリー。そういう野球をしたいと思う」とその言葉に力を込め、強い決意をうかがわせていた。
リーグ戦の戦いは「狙いを定めた試合になる。一戦一戦でしょうね」と指揮官。幸いなことに故障し離脱していた選手たちも徐々に復帰し始めており、早ければ7月中に戦力がほぼ完ぺきにそろうはずだ。
そうなれば、怖いものもない。“100%”のチーム力で、悲願の日本一奪回に向けて突っ走る構えだ。
(デイリースポーツ・伊藤玄門)