原監督の思い描く理想の打線完成は…

 巨人が首位で前半戦を終えた。貯金は14。2位・阪神には3・5差をつけた。春先は投手陣の不調などもあり、広島を追う形が続いたが、交流戦中に奪首。その交流戦では2年ぶりの優勝を果たした。リーグ3連覇へ向け、着々と足場を固めつつある。

 原監督は「結果的な部分、数字のことを言うならば、よくこの数字で来ているな、という感じがあります」と感想を口にした。チーム打率・267、348得点は昨季の・262、341得点とほとんど差がない(昨季は83試合、今季は80試合)。だが、得点数はリーグ5位と突出しているわけではない。

 交流戦後、指揮官はチーム状態を「70%」とし、残りの30%を「打線」とした。打線については前半戦で実に57通りものオーダーを試してきた。開幕オーダーは3試合目で早くも変更。同じスタメンの継続は最長で3試合。長野、阿部、ロペス、アンダーソン…。調子が下降した打者は8番まで降格した。ロペスに至っては一時、9番まで打順を下げた。「実力至上主義」を前面に出した。

 4番で開幕した村田も例外ではない。6月の交流戦では九回の好機に代打を送られる屈辱も味わった。その翌日には本塁打を含む4安打と見返す活躍。その姿に指揮官は「(村田)修一は注射をしてあげるとすぐに結果が出る。もうしたくないね」とニヤリ。あの手この手の刺激策で、活性化を図っている。

 指揮官は「オールスター明けぐらいにメンバーが決まってくればいいな」と青写真を描いていた。頻繁な打順入れ替えは、その言葉通り。その一方で「思ったよりその作業に関しては、簡単なものではない」と口にした。納得できる態勢が整うまで、後半戦に入っても“見極め”が続く可能性もある。

 交流戦中に亀井が戻り、小山が台頭。交流戦明けからは沢村、内海、橋本が戻ってきた。「陣容的にはそろってきつつある。スタンバイOKという人間が増えている、ということは非常に明るい材料」。指揮官の理想の形が完成した時、他の追随を許さないチームとなる。

(デイリースポーツ・野畑圭司)

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