大谷 厳しい内角攻めは一流打者の証し

 オールスターで162キロを投じた日本ハム・大谷翔平投手。投で注目を浴びる中でも、後半戦に入りここまでも野手としても活躍していることを見逃せない。

 球宴後の打撃成績は10打数3安打。(30日現在)29日のロッテ戦では適時打を放つなど、二刀流にふさわしい結果を出している。しかし、気になることもある。昨年は野手としては後半戦に失速した。7月には3割を超えていた打率は最終的に打率・238まで落ち込んだ。当の本人も「昨季から内角に来てますね」と前半戦よりも攻め方が厳しくなったと振り返る。内角攻めが打率を下げた要因のひとつとされているが、2年目の今季は打撃の状態を維持できるだろうか。

 どの球団も勝負をかけなければいけない後半戦。他球団からすれば、野手大谷も投手同様、マークしなければならないのは当然のことだ。スタメン、もしくは代打で出場した場合、大谷封じが日本ハムの得点力を減らすことにつながる。他球団の話を聞くと、今後、大谷への攻め方が厳しくなりそうな気配だ。

 前半戦を振り返り、野手大谷に対しての攻め方を反省する球団もある。楽天首脳陣の1人は「内角をさばくのはうまいけど、だからこそもっと厳しく攻めないといけない。野手で大谷君が出た場合、間違いなく得点力があがるんだから、うちでももっと厳しくいかないといけないという話は出てきている」と明かす。西武・田辺監督代行も「野手だけやっていたら、どのチームも(攻め方が)ああいうかたちになっていないのでは。厳しく攻めないと抑えられない打者」という。

 今季はここまで死球はゼロ。(30日現在)。確かに厳しい内角攻めはそれほどの多くなかったようだ。ただ、各球団も前半戦打者大谷に対し、厳しく攻められない雰囲気もあるようだ。今季大谷にヒットを打たれたパ・リーグ投手はこう振り返る。「左打者だから、当てたら投手としてのケガにもつながる。そうなると厳しく攻めないといけないと分かっててもどこかしら遠慮してしまっているのかもしれません」。右投手でありながら、左打者。右肘にはガードをつけているとはいえ、右腕に死球を受けた場合、投手としても離脱につながる可能性もある。今や無形文化財的存在になりつつある大谷。死球を当てた場合、周囲から批判を浴びる可能性もある。死球覚悟では攻められない事情もあるようだ。

 それでも、大谷本人は厳しい攻めは覚悟の上で打席に立っている。「インコースもアウトコースも苦手はないので、どっちも狙っていけばいいです。出るところでしっかり頑張りたい」と淡々と話す。

 厳しい内角攻めは一流選手の証拠でもある。大谷はパ・リーグ他球団の“大谷包囲網”をかいくぐり、打者としても結果を残すことができるだろうか。後半戦、野手としての大谷の成績も見逃せない。

(デイリースポーツ・水足丈夫)

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