巨人・原監督が「枢軸」を外した理由とは
8月に入り、勝負所となっているプロ野球。セの上位争いもし烈。原巨人は、リーグ3連覇を狙うが、実情はチーム力が安定していない、と言っていいだろう。
阪神ならばゴメス、広島ならばエルドレッドと主砲が君臨しているが、巨人にはどっしりとした4番打者はいない。前半戦は村田、阿部らが4番を担ったが固定できなかった。後半戦“開幕”から4番を任された長野が不振に陥ると代わりに高橋由が入り、めまぐるしく変更されている。
大黒柱と呼べるようなずば抜けた成績を残している野手はいない。原監督は「4番バッターという部分のね、柱というか、そういう選手が出てくるということが、チームの強さというものが増すところだと思いますね」と語っている。
さらに「今年は(野手の成績で)突出した数字がない。考えられない。グチっているわけではない。現実の話」と嘆く。それでも首位争いに加わっていられるのは「守備と投手が頑張っている」と分析する。その上で「今年は思った通りにいかないから“粘る”というスタイルなんだろうね」と覚悟も決めている。
その覚悟の象徴が、原監督が「枢軸」と呼んできた主力打者外しだ。7月27日の中日戦では阿部、村田がスタメン落ち。村田の巨人移籍後、2人が同時に先発メンバーから外れたのは初めてのことだった。7月29日のDeNA戦では長野がスタメンから外れた。
当然、不振の主軸たちに“注射”を打ち、刺激を与える狙いもあっただろう。だが特に阿部、村田について「彼ら2人だけには頼らない、というふうに戦ってます」と発言しているところに打ち出した厳しい姿勢がうかがえる。
もはや単なるカンフル剤だけではない、のだろう。最近になって指揮官は「ニュージェネレーション」という言葉を口にしている。捕手ではドラフト1位・小林(日本生命)が好リードと強肩で徐々に台頭してきている。
現状でも村田、阿部がチームの柱であることに変わりはない。だが不振が続けば、世代交代が一気に進んだとしても不思議ではない。その時こそ巨人の“新世代”の幕開けとなるのだろう。
(デイリースポーツ・伊藤玄門)
関連ニュース
これも読みたい
編集者のオススメ記事
コラム最新ニュース
もっとみる【野球】勝利を呼んだ中日・上林の神走塁 基本に忠実だった巨人・中山の誤算 明暗を分けた瞬時の判断
【スポーツ】春場所躍進の35歳・高安にあった確かな“予兆”とは? ヒシヒシと感じた愛妻・杜このみ効果 初V今度こそ
【野球】阪神 広島・矢野の二進防いだ攻めの守備 筒井コーチがデータ元に外野手に右寄り指示
【スポーツ】女子マラソン・佐藤早也伽が世界選手権切符を勝ち取れたわけ 24年大阪国際の屈辱胸に励んだ驚くべき練習量
【野球】阪神最後のドラフト外選手がGMとして新たな船出 若虎時代は「相当悪ガキでした」 NPBで13年の星野おさむ氏
【野球】3・11楽天・三木監督発言の真意と選手の変化とは? 「このまま進めて開幕を迎えていいのか」厳しい下馬評覆す戦いへ
【野球】谷佳知&亮子夫妻の息子2人がアイスホッケーから野球に転向した理由 コロナが分岐点 目標はプロ野球選手
【野球】ヤクルト最大懸案事項である駒不足の先発問題の現状とは? 「4枚足りない」と高津監督も危機感あらわ 8人でローテを回す想定