交流戦は来季から18試合に…影響は?
交流戦の試合数が来季は24試合から18試合に減ることになった。セ・リーグ側が縮小を求め、現状維持が基本線だったパ・リーグ側が受け入れた。
24試合制は2連戦で移動日を挟むため、日程が間延びする問題点があり、リーグ戦が過密日程となる要因にもなっていた。加えて来年以降は日本代表の国際試合を11月に行うため、日本シリーズを含めた公式戦を11月1日までに終了することが決まっていた。これまで以上に、日程をコンパクトにする必要があった。
パ側は24試合制を維持したまま、ロスのない日程作成など検討したが、最終的には18試合を受け入れるしかなかった。パの村山理事長(オリックス)は「パには反対意見もあったが、日程の問題だから方向性は12球団が力を合わせないといけない」と説明した。
ただ、日程の問題だけではなく、セ側には面白くない事情もあったようだ。今季の交流戦の1試合平均の観客動員を球団別(前年比)で見ると、広島(+21・8)、巨人(+0・2)、中日(‐2・7)、阪神(‐3・6)、ヤクルト(‐9・5)、DeNA(‐6・8)。一方、パは日本ハムだけがマイナスだった。
交流戦の観客動員数は1年目の05年が1試合平均2万3000人余りだったが、今季は過去最高の1試合平均2万7197人。こうしたデータから、パは「ファンは24試合制を求めている」とも訴えたが、セの意向を覆すことはできなかった。
また、交流戦ではセがパに苦戦する傾向も強い。過去10年で、交流戦で優勝したのは巨人だけ。トータルの勝敗でも、セがパに勝ち越したのは09年だけという状況だ。
18試合制になったことで、ペナントレースの行方に影響が出る可能性もある。24試合制では各カード4試合(ホーム、ビジター各2試合)だったが、18試合制では各カード3試合ずつに変わる。
24試合制では相手が2連戦ごとに変わるため、立て直しが難しく、大型連敗を喫する危険性があった。巨人・原監督やDeNA・中畑監督が「2連戦というのは難しい」と口をそろえていたが、今季は開幕から好調だった広島が、交流戦で9勝15敗と大きく負け越して順位を落とした。
同じく、今年は9勝15敗だった阪神・四藤球団専務は「(交流戦が苦手な)うちにとってはメリットかも」と冗談交じりに話した。わずか6試合減とはいえ、ペナント争いにどういう影響が出るのか、注目を集めそうだ。(デイリースポーツ・佐藤啓)