ゴルフ人口増大へ「20歳1年間無料」

 バブル経済崩壊後、国内のゴルフ人口は1991年の約1800万人をピークに減少し、11年には924万人と、この20年でほぼ半減してしまったという。女子の宮里藍や横峯さくら、森田理香子、男子の石川遼や松山英樹の登場で、少し活性化したようだが、事態はいぜん深刻なのだ。

 ゴルフ愛好家の私としては、常にゴルフ場がすいていて、プレー代が安いのはありがたいが、ゴルフ界全体の衰退には寂しさを感じる。やはり活気あるゴルフ界を見ていたいし、その中でプレーを楽しみたい。

 何とかならないものか-。

 確かにゴルフはお金と時間がかかるスポーツだ。プレー代はピンキリにしても1ラウンド平均1万円はかかる。交通費もバカにはならない。私はたいてい自家用車で行くが、高いガソリンを使い、有料道路代も数千円は必要だ。時間はほとんど丸一日がかり。ゴルフを始めようとする人にとっては、さぞ敷居が高いことだろう。

 何とかならないものか-。

 そんな時、この閉塞状況に一石を投じる画期的な出来事があった。8月4日、リクルートホールディングスの傘下企業、リクルートライフスタイルが都内で記者会見を開き「ゴルマジ!20~GOLF MAGIC~(以下ゴルマジ!20)」プロジェクトを開始すると発表した。

 「ゴルマジ!20」は、ゴルフ業界関連団体と協力し、今年20歳を迎える男女(国籍を問わない)を対象に、ゴルフ場、ゴルフ練習場のプレー料金が「無料」になるというゴルフ人口開拓プロジェクト。記者会で同社の宮本賢一郎執行役員がこう語っていたのが印象的だった。

 「当社はこれまでも若者の需要創造プロジェクトとして(中略)19歳を対象にリフト券代を無料にする『雪マジ!19』に取り組み、昨年度は延べ52万人の19歳が雪山を訪れました。今回の『ゴルマジ!20』をきっかけに、若者がゴルフを始めるきっかけや誘い、誘われやすい環境を提供し、生涯スポーツのゴルフを楽しむ方が増えることを目指しております」

 これは何とかなるかもしれない-。

 20歳という年齢層を選んだ理由については、同社研究機関が昨年9月の調査で20歳が将来的にゴルフファンになる可能性が高いという結論を出したからだという。この企画には協力団体として日本プロゴルフ協会など13の団体が名を連ねている。ゴルフ人口の減少がゴルフ界全体の問題として捕らえられていることが分かる。

 さて「ゴルマジ!20」の具体的な利用方法だが、利用希望者はPCやスマホでアプリをダウンロードし「ゴルマジ!20」への会員登録をすれば誰でも利用が可能になる。対象は94年4月2日から95年4月1日の間に生まれた男女で、利用期間は14年8月4日から15年3月31日までとなる。会員登録は8月4日から受け付けを開始し、最新情報で既に3400人に達している。

 利用できるゴルフ場、ゴルフ練習場として参画している施設は、同プロジェクトに賛同した全国96のゴルフ場と175のゴルフ練習場で、ゴルフ場は9ホールのプレー代が無料、練習場は1時間を目安に100球が無料となる。もちろん、プレーを始める前に最低限知っておくべきマナーや、必要アイテムなどを公式サイトで紹介。サービスを受けるだけでなく、プレーヤーの責任も理解してもらうように努力している。

 これは望みがありそうだ-。

 私がゴルフを始めたころは、バブルの真っ最中。3カ月先のスタート予約をするのさえ大変で、予約を取った人がヒーロー扱いされるくらいだった。そんな時、こんな企画があったなら(当時20歳ではないが)どんなに興味を引かれたことだろう。そういえば来年は長女が20歳になる。長女はゴルフをやらないが、勇気を出して声を掛けてみようか-。

 公式サイト: http://golf-jalan.net/golmaji20/

(デイリースポーツ・松本一之)

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