FA戦線大勝利!真中ヤクルトの来季は

 今年のフリーエージェント(FA)戦線はヤクルトが大勝利を収めそうだ。90勝左腕のロッテ・成瀬善久投手と日本ハムのキャプテン・大引啓次内野手と解禁初日の13日に即交渉。成瀬は他球団との交渉の予定はなく入団は決定的で、大引もオリックス、楽天と交渉したが2回目の交渉をする考えはなく、ヤクルト入りは固いと思われ、球団史上初のFA2選手獲得が濃厚になった。

 今年のFAは豊作と言われ、沢村賞投手のオリックス・金子らの大物が注目を集める中、早くから意中の2人の調査を進め、いちずに誠意を伝えたことが効を奏したと言える。球団関係者は「あの人がダメだったから次はあの人、それもダメならまた違う人、なんてことやってたら誠意ななんて伝わらないでしょう」と話した。

 では、2人を獲得できたと仮定して、真中新監督が指揮を執る来季のヤクルトがどうなるかを考えてたい。リーグトップのチーム打率を残しながら、チーム防御率は12球団ワーストに終わり、2年連続最下位に終わったチームの補強点がディフェンス面であることは明確。真中新監督は投手陣とセンターラインの強化を訴えており、まさに2人は必要な人材だった。

 まず、勝ち越したのが9勝6敗の小川だけだった先発ローテに、安定した成績を残してきた成瀬が加わるだけで、単純に白星の上積みが計算できる。また、真中監督が「彼が入れば守備が締まる」と期待するように、守備面の不安からレギュラーを固定できなかった遊撃手に堅守に定評のある大引が入ることで、今季目立ったミスによる失点も少なくなるだろう。

 補強には外国人選手、トレード、新人などもあるが、実績のある選手を取れるFAは補強の最大の柱だ。だが、毎年のようにFA戦線の主役だった巨人はヤクルト・相川、DeNA・金城のベテラン2人の獲得に止まりそうで、阪神は国内FA選手獲得のメドが立っていないばかりか鳥谷の退団が濃厚。FAに限って言えば、今のところヤクルトは戦力アップに成功した唯一のチームと言っていい。来季のヤクルトファンは楽しいシーズンを過ごせるのではないか。(デイリースポーツ・洪 経人)

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