黒田の復帰で盛り上がる広島のVモード
昨年末、米大リーグ・ヤンキースからFAとなっていた黒田博樹の広島復帰が発表された。「野球人生最後の決断としてプロ野球人生をスタートさせたカープで、もう一度プレーさせていただくことを決めました」と黒田。広島市中区の福屋八丁堀本店では、異例とも言える「おかえりなさい!黒田投手」と書いた懸垂幕が掲げられた。右腕の8年ぶりの古巣復帰に、広島の街も沸いた。
黒田はドジャースとヤンキースで7シーズンプレーし通算79勝。防御率は全て3点台を誇り、5年連続2桁勝利も挙げている。メジャー球団から巨額オファーを提示されたが、それを蹴っての広島復帰。バリバリ現役メジャーリーガーの加入に、24年ぶり優勝は大きく現実味を帯びてきたと言っても過言ではない。
広島の先発陣はリーグ屈指と言ってもいい。黒田とともに、ポスティングが見送られたエース前田と昨季に新人王に輝いた大瀬良が名を連ねる。先発3本柱が整っていれば、大きな連敗は避けられ、安定して白星を積み重ねることができる。堅守を掲げる緒方新監督。計算できる投手の加入は、何よりも大きな存在だ。
4番手以降は、メジャーでは未勝利ながら、ツインズ傘下3Aで10勝を挙げた新助っ人のジョンソン、12年の新人王・野村。福井や九里、さらに成長著しい若手左腕・戸田らが争う。残りの3枠を巡る競争は一段と激しさを増す。言い換えれば、それだけ戦力アップが期待できるということだ。
若手投手陣にも大きな刺激となった。野村、大瀬良、戸田、中田ら若鯉が続々と弟子入りを志願した。野村は「長く現役を続けるのが目標。調整の仕方などを聞いてみたい」。戸田も「思いついたら何でもいいので、聞けることは聞いていきたい」と目を輝かせた。一過性ではなく、継続して強固な投手陣の構築をするということでも、背番号「15」の復帰は大きな意味を持っていると言える。
緒方新監督の下、24年ぶりの優勝を目指す広島。強力な先発投手陣がチームをけん引し、悲願へ突き進む。(デイリースポーツ・市尻達拡)
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