Gスローガン「新生」でなく「新成」?
2015年、原巨人はV9以来となるリーグ4連覇の偉業に挑む。チームスローガンは「新成」に決定。原監督はその言葉に込めた思いを「新しいものを作り、大願を成就する。継続しているわけだから、(新生として)『生まれる』という字は使いたくなかった。『成』は大願成就からとった」と説明した。
昨年はリーグ3連覇を果たしたが、全体的に選手個々の成績は低迷。CSファイナルSで阪神に敗れ、日本シリーズ進出を逃した。日本一を果たした12年から右肩下がりのチームを、いかに上昇させるのか。指揮官は「チームを解体し、より強いニュージャイアンツを作り上げたい」と、改革を決断した。
大黒柱の阿部を捕手から一塁に転向。主将も、阿部から坂本に交代した。投手陣では沢村を先発からリリーフに、13年のセーブ王である西村もリリーフから先発に配置転換させた。原監督は「私も想像できないくらい今年は動くチームであり、目の離せないチームになる」と表現する。
大型補強はなく、中心選手の顔ぶれに大きく変わりはない。現有戦力の能力を最大限に引き出し、成長させることが4連覇の鍵を握る。オフの間、原監督は「阿部、村田、内海、杉内の4人に頼らないチームをつくる」と繰り返してきたが、これもベテラン4選手の反骨心を刺激する狙いがあったようだ。
年が明けると「4人も黙ってはいない。彼らもやる。阿部は三冠王に近い数字を残すでしょうし、村田もホームランに関しては阿部に負けてたまるか、とやる。内海も杉内も中5日のローテーションをしっかり守り、戦ってくれると思う」と、期待感を示した。
「新成」は、原監督自身にも当てはまるフレーズだ。昨年5月、父であり、野球人の師でもある貢氏が他界した。心の支えを失い、初めて迎えるシーズン。原監督は「他界したことによって、本当の意味で孤独の中で戦う1年になるなあ、と思っている。『新成』は、私自身にも言っていること。私自身も自問自答しながら戦っていきたい」と決意する。
他球団の包囲網が敷かれ、厳しい戦いも予想されるシーズン。原監督のもとでチームが新たな能力を発揮した時、偉業達成の瞬間が見えてくる。(デイリースポーツ・佐藤啓)
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