甲子園の銀傘を宜野座に“再現”
阪神1軍の春季キャンプ地、沖縄・宜野座が大きく生まれ変わった。
まず宜野座村野球場は大幅にリニューアルされた。宜野座村役場の関係者は「球場は小さな修繕はありましたが、ここまで大規模なものは初めてです」と話す。2013年6月に着工し、14年11月に終了。総工費は約5億4600万円。1997年に完成して以来、初めての大規模改修となった。
目を引くのは、バックネット裏にできた大きな白い屋根。甲子園の銀傘までのスケールはないが、聖地の名物をイメージさせる。これまでは雨が降ると避ける場所がほとんどなかったファンにとっては、ありがたい増設となった。
これまでは芝生だった内野席は、地面がコンクリートで固められて、長いイスが設置された。また、同じく芝生だった外野には、中段に右翼から左翼へとつながるコンクリートの通路ができた。
外野フェンスのラバーも改良され、広告も入った。14年の春季キャンプ時に完成していた大型のバックスクリーンを含めて、機能性は大きく向上し、見た目も変わった。
ボールパーク化も進んでいる。14年までバックネット裏のスタンド後方に並んでいた屋台は、球場のレフト後方の道路沿いに移動。ソーキそば、タコライスなど沖縄名物や、グッズ売店が道の両サイドに並ぶため、これまでよりスペースが広くなり、買い物がスムーズになった。
右翼後方にはバッティングセンターも新設された。200円で30球。3打席で80キロから最速130キロまで速度設定が選べる。
宜野座がここまで大きく変わった理由は、阪神とファンの利用が増えていることが大きな理由の一つだ。
阪神の宜野座キャンプは、星野監督2年目の03年にスタート。11年までは宜野座と安芸を併用していたが、12年から宜野座に一本化された。阪神が約1カ月間、滞在するようになってからの3年間は、1年平均6万2600人ものファンが訪れている。
宜野座村役場の関係者は「阪神さんには長い期間で利用していただいていますし、球場の利用が増加したため、安全性と機能性を高めるためです」と説明。今後は施設面の大規模改修は予定されていないが、球団と連携を取って快適なキャンプ環境を整えていくつもりだ。
生まれ変わった宜野座は、阪神にとって貴重な“補強”となっている。
(デイリースポーツ・西岡 誠)
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