森田遥 夢へのスポンサーは不特定多数
女子プロゴルフの元スーパーアマチュア・森田遥(18)=フリー=が斬新な方法でスポンサー集めをしている。今年1月5日にプロ転向を表明し、今季は米国女子2部ツアー「シメトラ(symetra)ツアー」全戦(予定は14戦)参戦を目指しているが、そのためには約2000万円の経費がかかる。今回のスポンサー募集はその資金の4分の1となる500万円を補うのが目的だ。
資金集めの方法は近年注目を集めているクラウドファンディングを活用している。これは「crowd(群衆)」と「funding(資金調達)」を合わせた造語で、簡単に言えば、インターネットを介して不特定多数の個人から資金(支援金)を集めるサービス。現在、世界中に500以上のクラウドファンディンサービスが存在しており、日本国内では「READYFOR?」というサイトが一番初めにサービスを開始した。
森田もこの「READYFOR?」を活用しているが、具体的には、まず自分が成し遂げたいプロジェクトをサイト上に掲げて「実行者」となる。森田の場合は「女子プロゴルファー世界一を目指してアメリカに遠征したい」と自分のプロジェクトをアピール。この夢や計画に共感してくれる不特定多数の個人(支援者)が資金(支援金)を提供してくれるというわけだ。
この時の支援は寄付や投資ではなく支援者がサイト上に提供されている5000円、1万円といった“支援券”を買う型を取る。もちろん、実行者の森田は支援されっ放しではなく、相当のリターン(引換券)を用意する。今回は支援金の金額に応じて、本人からのサンクスメールや月に一度活動報告の送付。また、キャディバッグに支援者の名前(イニシャル)を刺しゅうしたり、年末に予定している森田のゴルフコンペ招待-などがリターンとなっている。
今回購入できる支援金(支援券)は5000円、1万円、5万円、10万円、50万円の5種類で、募集開始からわずかな期間で早くも100万円に到達。滑り出しは順調だが、このサービスには締切が設定されており、4月27日午後11時までに設定目標額の500万円を達成して初めてプロジェクト成立となる。
森田はサイト上でこう訴えている。
「今年1月に私はついにプロフゴルファーとしての活動をスタートさせました。アスリートとしてやるからには世界一を目指したいと思っています!(中略)世界で戦うためには、言葉や文化の壁を乗り越えることも必要だと感じました。早いうちにアメリカに渡って経験を積み、言語や文化の壁を乗り越え、世界で戦える力をつけたいと思っています。(中略)世界の頂点を目指していくために、応援どうぞよろしくお願いいたします!!」
将来性豊かな女子プロゴルファーが世界にはばたこうと考え、クラウドファンディングというサービスを選んだわけだが、今のペースなら目標額は十分達成可能。時代の流れをつくづく感じると同時に、不特定多数のスポーツファンがお気に入りの選手を応援する上で、この仕組みは悪くない。遠くにいた選手を身近に感じられるし、その選手が活躍すれば自分の励みにもなる。日本のゴルフ界ではクラウドファンディングを使ったスポンサー集めは森田が初だというが、今後は多くのゴルファーが同じ手法を取るようになるかもしれない。
森田選手を応援したい人はhttps://readyfor.jp/projects/harukamoritaへ。(デイリースポーツ・松本一之)