ダート界で関西馬が強い理由とは…
先週行われたフェブラリーSはコパノリッキー(牡5歳、栗東・村山)が同レース史上初の連覇を達成した。
昨年は16頭立ての最低人気、単勝272・1倍での勝利。人馬(騎手は田辺)ともにG1初Vだった。対して今年はG1・3勝馬として臨み、JRAの顔・武豊を背に、堂々の1番人気(単勝2・1倍)での勝利。立場は大きく違ったが、レース内容はともに強いものだった。
その結果を受けてあらためて思ったことだが、今のダート界は関西馬が圧倒的に強い。顕著な現象としては、昨年のチャンピオンズC、そして先日のフェブラリーSと、年間2つしかないJRAのダートG1に関東馬の出走が1頭もいなかった。特にフェブラリーSに関しては、関東圏である東京競馬場で行われているレースにも関わらず、2週前の登録もベルゲンクライ(牡5歳、美浦・大久保洋)だけ(除外)だった。
ここまではっきりと形に表れた原因は何だろうか。東西のレース番組を見る限り、関西にダート戦の番組が多く組まれているようなことは全くない。ならば原因はほかにある。2歳、3歳の時から関西馬が数多く関東圏に遠征してきて、ダートのオープン特別、重賞を勝ち上がっていくからにほかならない。それが積み重なれば、ダート競走に出走する馬で賞金をたくさん持っているのは、必然と関西馬が多くなる。
ただ、フェブラリーSと同日に行われた3歳限定のダートのオープン特別・ヒヤシンスSで一筋の光明が差した。勝ち馬ゴールデンバローズ(牡3歳、美浦・堀)は、東京ダート1600メートルで3戦3勝。単勝1・4倍の圧倒的な1番人気に応える強いレースぶりだった。追い込んで2着のイーデンホール(牡3歳、美浦・大久保洋)も関東馬。昨年の全日本2歳優駿を制したディアドムス(牡3歳、美浦・高橋裕)は58キロを背負って、2着と同タイムの4着に好走した。関東馬が1、2、4着と頑張り、存在感をアピールした格好だ。
これらの馬がさらに力を付け、今年のチャンピオンズCや、来年のフェブラリーSでは、関東馬の中心的存在として関西馬を迎え撃ってほしいものだ。昨年の2歳G1をともに関東馬が制したように、ダート界でも反撃を期待したい。
(デイリースポーツ・塩手智彦)