小柳ルミ子は海外サッカー通だった
歌手の小柳ルミ子(62)が海外サッカー通と話題だ。あるスポーツやチームのブームが来ると、突然「実はファンでした」と手を挙げる芸能人が、ときどきいる。が、この人はホンモノのようだ。
スペインリーグ伝統の一戦、バルセロナ対R・マドリードが日本時間23日に行われるのを前にした特集番組の収録で、マニアぶりをさく裂させた。
高校時代にサッカー部だったイケメン俳優、白石隼也との対談だったが、「こういう番組に出るの待ってました!」と言うや、白石を置き去りにして小柳のしゃべる、しゃべる。その姿は特にファンというアルゼンチン代表・メッシのドリブルのよう。「メッシのプレーを見ると涙が出てくるの。身体的ハンデを克服して世界一になる努力はハンパじゃない。プレーに憂いがあるのね」と熱弁をふるいながら、プレーを見ていないのに、泣き出した。
小柳とサッカー、まったく接点はないが、きっかけはデビッド・ベッカムだった。日韓W杯が終わって、ベッカムブームがピークに達したころ、「世界中の男性を興奮させるスポーツってどれだけ面白いのか」と、ふとサッカー中継のテレビを見て、あっという間に魅了されたという。
昨年のW杯ブラジル大会は、全64試合をテレビの生中継で観戦。「そんなこと可能なのか?」と疑問に思っていると、自作のリストを披露してくれた。それどころか、国内で放送されているすべての欧州サッカーの中継をまとめたファイルを示してニンマリ。家にいる時間のほぼすべて、その録画放送の視聴に当てているという入れ込みぶりだ。
クラシコと呼ばれるバルサとレアルの対戦では、メッシとクリスティアーノ・ロナウドというライバル対決が注目だが、「私も天地真理ちゃんというライバルがいて、負けたくないという思いで頑張れた」と自分に重ね合わせる。ちなみに「タイプでいえば私はメッシかな。華やかな真理ちゃんに対して、私は職人的なところがあったから」と分析した。
ここまで語るとレアルよりバルサを応援しているかと思いきや「どっちも好きなんです」。それどころか「マンU(マンチェスター・ユナイテッド)もチェルシーもミランも好き」とミーハー丸出しという気もするが、変に通ぶらないのが素直でいい。
1971年のデビューからこれまで「瀬戸の花嫁」「お久しぶりね」など数々のヒットをとばした一方で、バックダンサーだった大澄賢也との結婚・離婚、また、そののち27歳年下の俳優・石橋正高との婚約から入籍直前の解消など、情熱のままに周囲のイケメンを翻弄(ほんろう)する私生活はまさに、ラテンのノリだ。
そんな感性が海外サッカーに“ダイレクトパス”を送ったのかもしれない。
(デイリースポーツ・杉村峰達)