なぜ柏はACLで強いのか?
昨季、圧倒的な強さを見せたG大阪や、強豪・浦和、鹿島が苦戦を続けるACLで、唯一、予選を経て本戦へ参戦している柏が、17日の山東戦でも勝利し、無敗で1次リーグ突破へ王手をかけた。
本来なら、天皇杯優勝チームと、J1の3位までに与えられるACLへの挑戦権だが、G大阪の三冠達成により、いわば繰り上げで出場している同4位の柏には、他のクラブのように、日本代表メンバーがいるわけでもない。
なのになぜ、柏はACLで勝てるのか?
近年、Jクラブの1次リーグ敗退が続く中、12年・ベスト16、13年・ベスト4と、ACLで強さを見せる柏。エースの工藤壮人はこう公言している。「Jリーグで、ACLへの気持ちが強いのはレイソルだと自負している」。
どうして選手はそこまでACLへ想いを寄せるのか…。
11年、J1優勝を果たした柏は、クラブW杯に開催国枠で出場した。この時の選手の喜び様は忘れられない。移動時に用意されたFIFAのロゴが大きくペイントされた専用バスにさえ、はしゃいだ程だ。大会中は日本の代表として注目され、メディアへの露出も劇的に増えた。「またクラブW杯に出たい」それ以来選手たちはことあるごとに口にするようになった。
それは選手だけではない。柏サッカー場に行くと必ず目にする「柏から世界へ」の巨大な横断幕。「さあ行け行け柏!世界へ飛び出せ!」。試合中選手を鼓舞する応援歌でも“世界”が連呼され、サポーターが掲げるマフラーにも「柏から世界へ」の文字が躍る。
柏というクラブ全体からあふれる“世界への意識”は、他のクラブではあまり味わえないものだ。これこそがACLで躍進を続けるキーポイントではないだろうか。
(写真と文=デイリースポーツ・吉澤敬太)