大谷が挑発?打者にボールの握り見せた
別人だった。打者を鋭い眼光でにらみ付け、挑発するようにボールの握りを見せた。これほどまでに闘争心を向き出しにした二刀流を、かつて見たことがなかった。
21日のオープン戦巨人対日本ハム戦の2回二死だ。先発マウンドに立った日本ハム・大谷翔平が、打席の巨人・井端を、マウンド上からにらみ付けながら、フォークボールのような握りをあえて見せていた。投じたボールは150キロ台のストレート。大ベテランはあえなくセカンドゴロに打ち取られた。
この日、大谷翔平は38球中30球がストレートだったが、投げる前に打者に変化球の握りを何度も見せ、駆け引きをしていた。変化球と見せかけてストレート勝負。結果3回1安打と巨人打線を牛耳った。
試合後、担当記者に確認すると、投げる前にボールの握りを打者に見せるということは、今までになかったことが判明した。開幕前の最後の試合で、結果への執念を感じさせるパフォーマンスだった。
3日巨人戦は4回4失点。11日のDeNA戦は4回5失点と不本意な投球内容で調整不足を露呈していた。ステップアップするためにフォームを変える取り組みをキャンプからしていたようだが、まだ結果に結びつけられるほど、ものにできていなかった。
今季は初の開幕投手という大役が待っている。オープン戦最後の登板は進化よりも結果を優先した大谷。プロ3年目の二刀流は、ひと味もふた味も違う。(写真と文=デイリースポーツ・開出 牧)