巨人・立岡は「新成」になれるか

 巡ってきたチャンスを、確実にモノにしてみせる。巨人・立岡宗一郎外野手。24日に1軍登録され、2試合連続でスタメン出場。9打数3安打1打点と奮闘中だ。

 外野手登録だが、出場した2試合はいずれも三塁手として先発。24日が今季初めての1軍登録。ケガをした寺内に代わってのものだったが、もともと巨人の三塁手といえば村田。その村田も20日に右太もも裏肉離れで登録を抹消。負傷者続出によって、内外野をこなせる立岡に白羽の矢が立った。

 「やっと来たなと思った。波はあったけど、試合に出続けていたし、今年はやれるという気持ちがありましたから」

 立岡は25歳。プロ野球選手では苦労人といえる。2012年にソフトバンクからトレードで巨人に入団。7月の試合中に左肘のじん帯を断裂する大けがを負った。「右(打席)で振れなかった」というほどの重傷。打者として致命的な大ケガを前に、左打者への挑戦を決意する。

 きっかけは会田トレーニングコーチのアドバイスだった。ランニング等の練習しかできなかった立岡に「痛くなければ、左で振ってみるのもいいのでは。来年も野球続けるなら、やってみたほうがいい」と告げた。

 「中学で1年やったくらい」という程度の左打ちに、20歳を過ぎてからトライする。まさにイチかバチかの挑戦だ。だが「プロ野球を続けたい」という思いが最優先。「練習ももちろんしますが、1日の時間は限られてる。左打者の色んな映像を見ました」と研究の毎日だった。

 大きな影響を受けたのが、当時の同僚で現在は中日に在籍する小笠原。「小笠原さんが当時ファームにいて、直接言ってくれたのがありがたかった」。実績十分の大ベテランの助言も、今の立岡を支えている。

 2013年こそ46試合に出場したが、昨年は2試合にとどまった。今年は、ここからがチャンス。まだまだ、道は険しいが、それは重々承知だ。

 「常にベンチで必要とされている存在でないと。途中から使っても大丈夫だなと思ってもらわないと、1年間出ることは難しい。その評価を得た人が、スタメンで使ってもらえると思う」

 刺激となっている存在もいる。同い年で、今季活躍を続ける橋本到、大田泰示だ。

 「少ないチャンスをモノにしてブレークした。同級生で仲がいいんですけど、同時に負けたくない思いもあります。意識していますね」

 原監督が新しい力の台頭を期待しつつ掲げたスローガン「新成」。そのひとりになるべく、立岡もがむしゃらにアピールを続けていく。

(デイリースポーツ・橋本雄一)

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