ロッテ清田、6年目の“本格ブレーク”
ロッテ・清田育宏外野手が、本格ブレークのときを迎えている。5月9日の西武戦(QVCマリン)から続く連続試合安打は、7日のヤクルト戦(神宮)で「22」に伸び、79年に高橋慶彦(広島)が記録した33試合連続安打のプロ野球記録に迫る勢いだ。5月28日の広島戦(マツダ)で規定打席に到達。柳田(ソフトバンク)と、し烈な首位打者争いを繰り広げている。
今季でプロ6年目。ルーキーイヤーの2010年に、日本シリーズで新人選手の通算最多打点のタイ記録をマークし、日本一奪取に貢献。しかし、2年目以降、その思い切りの良さは陰を潜め、存在は埋もれていた。走攻守の総合力では、角中、荻野、岡田、伊志嶺ら群雄割拠の外野陣の中でナンバーワンだったが、定位置を奪うまでには至らず。特に昨季は、プロ入り後最も少ない24試合出場にとどまっていた。
今年2月の石垣島キャンプ。清田は全メニューを終えると、1人で室内練習場に行き、黙々と打ち込んだ。そして、1人でウエートトレーニングに直行した。これまでは荻野ら仲の良い他のメンバーたちとともに行動することが多かった。しかし今年は1人で、納得いくまでやり通した。その単独行動に、今季にかける意気込みが静かに表れていた。
取り組みの意識が変わると、技術も向上した。堀打撃コーチは、「もともと良いものを持っていたが、それがいい形で出てきた」と話す。清田の中で迷いが消えたのが大きいといい、「以前は、空振りを怖がっている部分があった。今年は、ボールがよく見えているから今まで追いかけていた外の球にしっかり我慢ができている」と話した。
さらに、同コーチは、「疲れてくると、大振りになったりすることがあるが、今の清田には、そういうことがない」という。「もちろん良いときばかりではないので、これから数字が多少は下がってくることもあるだろうが、そう大崩れはしないだろう」と見ている。
右打者のプロ野球最高打率は、08年に横浜(現DeNA)の内川(現ソフトバンク)がマークした・378。ちなみに内川は同年に初めて規定打席に達している。パ・リーグの右打者では、落合博満が85年に記録した・367が最高打率。年間を通じ、コンスタントにアベレージを保っていけば、夢は広がる。
(デイリースポーツ・福岡香奈)