高校野球 審判に統一見解は必要では?
「全国高校野球・1回戦、花巻東4-2専大松戸」(7日、甲子園)
ドラフト候補対決は予想外の結末に終わった。花巻東・高橋、専大松戸・原がマウンドに上がった大会2日目の第1試合。ハイレベルな投げ合いが期待されたが、原は制球が定まらず五回途中4失点でマウンドを降りた。その原因と思われるシーンが初回にあった。
一回裏、先頭打者を遊ゴロに打ち取った直後、審判がマウンドに駆け寄って何かを伝えた。3者凡退で立ち上がった直後にもベンチ前で球審から指摘を受けた。問題となったのは2段モーション。高く上げた左足を降ろしていく段階でいったん、動きが制止するように見えなくもない。
投球する際には一連の動作が求められているが、かなり微妙なライン。実際に千葉大会では一度も指摘されたことはなかったという。それが甲子園の初戦で「5~6回は言われました」と問題を露呈。原は必死にフォームの修正に努めたが、二回には3四死球で満塁のピンチを招き、9番・高橋に初球のカウント球を狙われた中前2点打で先行を許した。
千葉大会4試合で与四死球は7個。それが五回途中で降板するまでに5四死球を与えてしまった。ただ本人は「それは言い訳になってしまうので。監督から指摘されるかもしれないと言われ、違った投球術をできるように準備した」と一切、言い訳をしなかった。持丸監督も「大会前から注意されるかもしれないからと言い聞かせていた。それで(指摘されて)コントロールを乱すのはダメ。自己責任でやるしかない」と強調した。
だが地方大会では一度も指摘されることなく、勝ち抜いてきた投球フォームが突然、甲子園の初戦でダメと言われる現実-。緊張も重なる中、少なからず悪影響を及ぼしたことは結果とボールが示していた。
高校野球は教育の現場と言われる。選手がルールを順守する中でプレーすることは至極当然なことだ。その一方、裁く側もある程度の“統一見解”を持つべきだったのではないだろうか-。
審判を務める人によって見解が異なる現実は、選手のためになるとは思えない。2年半、懸命に頑張って、みんなでつかんだ甲子園の切符。納得した形で高校野球生活を終わってほしいと願うのは、筆者だけではないはずだ。(デイリースポーツ・重松健三)
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