【芸能】M-1決勝 期日選定難航の裏
5年ぶりに復活した、漫才コンテスト「M-1グランプリ」の決勝戦が、12月6日夜に開催され、テレビ朝日系が午後6時30分から生放送する。吉本興業との共催で復活に動いた大阪・朝日放送は、脇阪聰史社長が“スポークスマン”となり「復活させるからにはコケられない。視聴率も大事だ」と大号令。決勝戦は高数字が望める期日を入念に厳選した末に決まった。過去最高視聴率は08年の関東23・7%、関西35・0%。今後の漫才人気復権を占う数字が、今年の全番組の最高値を更新するかにも注目が集まる。
01年に第1回大会がスタートしたM-1。お笑い番組は視聴率の“西高東低”が指摘されるが、M-1も例外ではなく、01年は関西で21・6%と好スタートを切ったが、関東は9・0%。全国的な名物大会となるまでに年月を要したことを物語る数字だ。
08~09年には関東で20%超、関西で30%超を記録。この大会を復活させるにあたり、脇阪社長は昨年から「コケられない」と繰り返してきた。決勝戦の時期も「15年の冬」と語るに止め「数字も大事。裏番組もにらみながらになります」とギリギリまで入念に厳選する方針を示していた。
結果、今年8月に東京・大阪で予選がスタートする中、最終的に決勝戦の期日が発表されたのは1カ月前の11月3日だった。
背景には、まず10年にM-1が終了した後の11年から昨年まで漫才コンテストとして開催された、対抗レースのフジテレビ系「THE MANZAI」(今年から漫才の祭典に形式変更)の動向もあった。高視聴率獲得のためには、芸能以外の大きな行事、イベントとの重複も極力避ける必要がある。
「-MANZAI」は12年に大会最高の関東17・3%(関西21・8%)を記録。しかし昨年は、不意打ちの衆院解散で実施された総選挙の投開票日と重なり、夜の放送時間を1時間半繰り上げた影響もあってか、関東11・0%(関西13・5%)の数字となった経緯もあった。
こうして選ばれた12月6日。前週末に羽生結弦選手、浅田真央選手が出場した「2015NHK杯フィギュアスケート」(NHK総合、視聴率23・5%)のような大型のスポーツ中継などは見当たらない。
放送時間は午後6時30分~同9時。裏番組で、日本テレビが10%後半から20%台を堅守する「ザ!鉄腕!DASH!」「世界の果てまでイッテQ!」は避けては通れない対抗番組となるが、午後9時に絶好調のTBS系ドラマ「下町ロケット」(第5話で最高20・2%)が始まるまでにはM-1放送が終了する図式だ。
なお、現段階で今年の全テレビ番組の最高は、関東が1月3日の日本テレビ「箱根駅伝・復路」(28・3%)、関西が8月21日のABC「報道ステーション」(26・7%)となっている。
【過去のM-1視聴率】
第1回 関東9・0%/関西21・6%(優勝・中川家)
第2回 関東10・9%/関西17・5%(優勝・ますだおかだ)
第3回 関東10・7%/関西20・6%(優勝・フットボールアワー)
第4回 関東11・0%/関西18・0%(優勝・アンタッチャブル)
第5回 関東12・6%/関西22・4%(優勝・ブラックマヨネーズ)
第6回 関東18・0%/関西31・1%(優勝・チュートリアル)
第7回 関東18・6%/関西30・4%(優勝・サンドウィッチマン)
第8回 関東23・7%/関西35・0%(優勝・NON STYLE)
第9回 関東20・6%/関西30・3%(優勝・パンクブーブー)
第10回 関東18・7%/関西23・4%(優勝・笑い飯)
(数字はビデオリサーチ調べ)
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