最近、ちまたで話題の格安スマホ。「携帯代がばかにならない」のは世のお父さんにとって悩みの種。ここは「格安」を検討して、少しでもお小遣いアップにつなげたいところだ。

　記者は格安スマホ導入で携帯代が月に約４０００円となった。通話用にｄｏｃｏｍｏのガラケーで「カケホーダイ」２５００円（ｉモード代込み）。別にデータ通信用で格安スマホを用意。これが月に１２２０円（「ＯＣＮ　モバイル　ＯＮＥ」ＳＭＳ対応データＳＩＭ３ＧＢプラン）。仕事柄、電話はかかせないので２台持ちになったが、格安スマホ１台にすればもっと安くなるし、さらに安いプランがある。

　ただ、格安スマホには向き、不向きがある。そこで、知っておきたい１０のポイントを紹介する。

（１）ｉＰｈｏｎｅも「格安スマホ」になる

　「格安スマホ」は、３大キャリア（※１）以外の格安端末「ＳＩＭフリースマホ」（※２）と、格安通信事業者の提供する「格安ＳＩＭカード」をセットで呼ぶことが多い。「ＳＩＭフリースマホ」に音声データ対応の「格安通話ＳＩＭカード」を差せば、３大キャリアと契約しなくても「通話できる格安スマホ」になる。格安ＳＩＭを使うには、端末が「ＳＩＭフリー」である必要はない。例えば、手持ちのｉｐｈｏｎｅやアンドロイドに「格安ＳＩＭカード」を差せば「格安スマホ」になる。

（※１）ｄｏｃｏｍｏ、ａｕ、ｓｏｆｔｂａｎｋ

（※２）３大キャリアで購入した端末は、基本的に他の通信事業者で使えないようにＳＩＭがロックされている「ＳＩＭフリー」とはその制限がなく、どの通信事業者にも対応できる端末という意味。

（２）ｓｏｆｔｂａｎｋの端末は格安ＳＩＭを使えない　

　格安ＳＩＭは通称ＭＶＮＯ（※３）と呼ばれる通信事業者によるサービス。ざっくりいうと、ＳＩＭやａｕのインフラを、間借りして通信を行っている。気をつけたいのが、ｓｏｆｔｂａｎｋはＭＶＮＯに回線を開放していないということだ。つまりＭＶＮＯはｄｏｃｏｍｏ系とａｕ系のみとなる。ｄｏｃｏｍｏ系のＳＩＭカードを使いたいならｄｏｃｏｍｏの端末かＳＩＭフリースマホ、ａｕ系のＳＩＭカードを使うならａｕの端末かＳＩＭ?フリースマホである必要がある。

（※３）ＭＶＮＯとは、Ｍｏｂｉｌｅ　Ｖｉｒｔｕａｌ　Ｎｅｔｗｏｒｋ　Ｏｐｅｒａｔｏｒ（仮想移動体通信事業者）の略。設備投?資や維持管理をしないですむのと、対人店舗がいらないことから、３大キャリアと比較して「格安」なサービスを提供できる。

（３）ＭＶＮＯは試すことができる

　格安ＳＩＭの料金に飛び抜けた違いはない。各社だいたい横並びでデータＳＩＭ３ＧＢが平均９００円といったところだ（音声データの上乗せ分も大差ない）。通信速度は格安ＳＩＭ業者によれば「スピードはその時々で増減があります。例えば加入者が集中したタイミングで、快適といわれていた業者も一時的に遅くなったり。その後、必要に応じて増強を行い再び安定するの繰り返し。そもそも格安ＳＩＭ市場が対象にしているのは、ライトなスマホユーザーで、用途がメールやネットくらいであれば、ぶっちゃけどの格安ＳＩＭも十分なレベルといえます」。格安ＳＩＭの魅力として、契約期間の縛りがないことが挙げられるが、まずは使ってみて、より自分にあったＭＶＮＯを探すとのがいいだろう。

（４）ＭＶＮＯは付加価値で選べ

　ＭＶＮＯに差を見つけるとすれば、使わなかったデータ分を翌月に持ち越せるＭＶＮＯは使いやすい。また、あえてデータ通信料も従量制にし、驚きの月２９９円からを実現している「フリーテル」なども面白い。他の付加価値でいえば「マイネオ」は大阪のグランフロントにアンテナショップを出店。ＭＮＰでも即日発行してくれるし、なにかあったときのサポートが受け易い。楽天モバイルなら楽天ポイントが付いてくるのも魅力。楽天サイトではほぼ常時、格安スマホとのセット加入で割引キャンペーンをしている。価格コムや家電量販店も同様で、目当ての端末を絞ったうえでセットで購入するのも手だ。

（５）電話番号はそのままに完全乗り換えできる

　モバイル・ナンバー・ポータビリティ（ＭＮＰ）はＭＶＮＯでも問題なくできる。ｄｏｃｏｍｏとａｕの端末を保有しているなら次に考えるのは、完全に乗り換えるかどうかということ。手持ちの端末を持ってＭＮＰし、音声データ対応の「格安通話ＳＩＭカード」を契約すれば、データ通信１ＧＢなら、携帯代の基本料金はわずか１５００円程度となる。すぐにでも実行したい格安ぶりだが、これは後編で紹介する２つの条件をクリアしてからにして欲しい。（デイリースポーツ・百瀬啓太）