【スポーツ】京大ボクサー、今後も両立
高学歴ボクサーは最近、珍しくはなくなってきたが、京大在学の現役プロボクサーがいる。京都のフュチュールジムに所属する小木曽(おぎそ)友輔(22)。京大工学部で土木を研究する4年生だ。
京大出身では、2000年に西日本新人王ウエルター級MVPで医学部卒の川島実さんが有名だが、同じく在学中のプロデビュー。4月16日、島津アリーナ京都で行った初陣、4回戦(58キロ契約)を見事、判定3-0勝利で飾った。
名古屋市出身で1浪して京大に進学。高校までサッカー少年だったが、大学でラクロス部に入った。しかし右膝前十字靱帯を2度断裂し、手術。ラクロスの道は断念した。
偏差値65超の秀才は、ここでこう思う。「ラクロスの仲間を見返したい。何かで結果を残したい。今から始めるのはボクシングしかない」。
激しいフットワークが必要な競技ゆえ、爆弾を抱える膝では難しい…とは考えない。14年12月、迷わず同ジムの門をたたき、プロを志望。昨年11月のプロテストに合格した。
初戦を終え、新たな戦いは8月の大学院試験だ。研究室では「川の研究、ダムをつくったり」と治水が主なテーマ。昨年9月、大規模水害を起こした鬼怒川の決壊なども検証する。将来は海外でダム建設などに従事することを希望している。
大学院に合格すれば、またボクシングに戻る。「もう少しいい試合がしたいし、新人王に挑戦したい気持ち」と、二足のわらじを履き続けるつもりだ。
昨年は公立の大阪市立大工学部出身で日本フライ級15位・坂本真宏(25)=六島=が全日本新人王を獲得し、敢闘賞にも輝いた。9月には同大学の大学院試験に合格。今春から院生となり、レポート提出に追われながら、4月17日には日本ランカー相手に快勝した。
ボクシングというただえさえ過酷な競技をしながら、文武両立は立派の一言。ただ優秀な頭脳をなぜに殴られる必要があるのか…。余計な心配だろうが、2人とも結構なファイター型なだけに、頼むから防御だけは磨いてほしい。(デイリースポーツ・荒木 司)
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