【野球】巨人 下克上のキーマン5番・村田修一

 巨人・村田修一内野手が16日、ヤクルト24回戦(東京ドーム)で20号3ランを放った。昨季は打率・236、12本塁打と低迷。今季は「村田はまだやれると思ってもらえるように」と貪欲に結果を追い求め、自身2年ぶりの20発をマークした。

 横浜(現DeNA)に在籍した07、08年は本塁打王に輝いた。だが、35歳となった今季は若手の台頭を求めるチーム方針もあり、レギュラー剥奪の危機からスタート。この状況が村田にとっては“転機”となった。

 「ホームラン王を取ったのは昔のこと。今は置かれた状況や立場が違うので。ホームランは盛り上がるし、野球の醍醐味(だいごみ)。ただ、今年は打率に重点を置いていこう、とやってきた。ちょっとは大人になったのかな」。

 ここ一番での勝負弱さや守備でのイージーミスも目立ち始め、衰えは否めない。ただ、チーム内にはベテランを押しのける若手の存在がいないのも現実である。

 ペナントレースは広島が圧倒的な強さで25年ぶりの優勝。CSでの雪辱を誓う巨人にとって、5番を打つ村田のバットにも大きな期待がかかる。今季、最もチーム状態の良かった時期は7月から8月上旬にかけての約1カ月。この期間は村田も絶好調だった。打率リーグトップの坂本、4番の阿部に引っ張られるように、7月は月間打率・342。厚みのある攻撃陣の一員として、チームの快進撃に貢献していた。

 ただ、8月は打率・268。9月も20号を放った16日のヤクルト戦前までは、打率・217で1本塁打。チームの調子とともに、村田のバットも湿っていった。

 「村田やギャレットは疲れもあるのだろうし、涼しくなれば状態はもっと良くなってくるはず。ただ、CSのような短期決戦は調子が上がってくるのを待っていられない。クルーズを開幕の時のように5番に戻すことだって、相手との相性を見ながら一戦ごとに(打順を)変えることもあるかもしれない」。

 内田打撃コーチがこう話していたのは、村田が本塁打を放った16日の試合前のことだった。CSファーストSまで、約3週間。「残り試合で勢いをつけていかないといけない」と話す村田が、“下克上”を果たすためのキーマンになりそうだ。(デイリースポーツ・佐藤啓)

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