【野球】早実・清宮はシーズン60発バレンティン級!?驚異の本塁打率
明治神宮大会の決勝が15日に行われ、2016年の高校野球公式戦はすべて終了した。最後の試合で高校通算76号を放ったのが、早実・清宮幸太郎内野手(2年)。入学以降の公式戦では、実に16本目の本塁打だった。
記者がデータとして残している清宮の打席別成績表を見ると、とにかく本塁打を示す『赤』が目立つ。一目瞭然の多さに、どれぐらいの確率でアーチをかけているのかが気になった。
7・59。これが入学以降の公式戦の本塁打率(打数÷本塁打)だった。つまり清宮は7・59打数に1本の割合で一発を放っている。これはどれぐらいのペースなのか。データが豊富で、多くの野球ファンも共感しやすいプロの世界で比較してみた。
まずは、セ・リーグ2冠に輝いたDeNA・筒香嘉智。
469打数で44本塁打=10・66
あれだけ打っていても、本塁打率は2桁を下回れなかった。
日本人で最後にシーズン50本塁打をマークした02年の巨人・松井秀喜はどうか。
500打数50本塁打=10・00
あの歴史的な年でも、やはり10打数を擁している。
では、半世紀近く破られなかったシーズン55本塁打、巨人・王貞治の64年は…
472打数55本塁打=8・59
これでもまだ清宮の本塁打率が上。
ちなみに王の本塁打率が最も高かったのが74年。
385打数49本塁打=7・86
この年は158四球のプロ野球記録をつくったシーズンでもあった。
心当たりを調べた中でのナンバーワンは、13年のヤクルト・バレンティン。
439打数60本塁打=7・32
日本プロ野球のシーズン本塁打記録を塗り替えた年は、やはり飛び抜けていた。
7・59という清宮の本塁打率は、13年のバレンティンに肉薄する。「あれぐらい打っている」といえば、野球ファンなら想像がつくのではないだろうか。
今年1年に限れば、清宮の本塁打率は5・89(53打数÷9本塁打)になる。近い値を探してみると…あった。記憶に新しい今年7月の筒香。84打数16本塁打=5・25。驚異的な量産ペースであることに、疑いようはない。
1試合の打数はおおむね4。入学以降の本塁打率が7・59の清宮なら、2試合観戦すれば一発を見られる計算になる。
今秋東京大会の決勝では、2万人の観衆が詰めかけた。明治神宮大会を視察した有名大学の監督は、早実戦で埋まったスタンドを見て「球界の宝ですよ」とまで言った。ホームランが見たいのなら、早実の試合-。出場確実な来春センバツでも、清宮フィーバーが起こることは間違いなさそうだ。(デイリースポーツ・藤田昌央)
※清宮の公式戦は、旧チームで参加した国体、高校日本代表として出場したU-18ワールドカップを除く。
※本塁打率は小数点第3位を切り上げ。