【芸能】SMAPなぜ紅白オファーに沈黙?

 12月31日をもって解散するSMAPが、大みそかに生放送される「第67回NHK紅白歌合戦」(総合、後7・15)の出場者46組に名を連ねることはなかった。NHKのオファーに対して、SMAPの回答は「沈黙」だった。なぜ、5人は11月24日の出場者発表までに「快諾」か「辞退」、いずれかの返事をしなかったのか。沈黙の理由を探った。

 11月24日、都内の同局で紅白出場者発表会見が始まると、出場者リストが一斉に配られた。紅組白組合わせて46組の中にSMAPの名前はない。デビュー年の91年から通算23回出場、大トリを含めトリを6回務めた国民的グループが“正規枠”に含まれていないことについて、番組を担当する同局の矢島良チーフ・プロデューサーは会見後に経緯を打ち明けた。

 「オファーはさせていただいておりまして現段階では出演いただけるとも、いただけないともお返事をいただいていない」。回答がない以上、出場者に名前を連ねることはできない。正規枠での出場は実現しなかった。

 今年の状況を考えれば、辞退は濃厚だ。シングル発売がなく、コンサート未開催を理由に紅白2度目の辞退となった2004年同様、今年もシングル発売、コンサートはなし。今夏の民放の音楽特番もパフォーマンス出来る状況にない、と出演を見送っており、紅白にだけ出場することには疑問の声が上がっていた。

 5人が「辞退」を申し出なかったのは、NHKへの配慮があったとみられる。同局は紅白でのラストステージ実現に向けて、12月30日まで交渉する姿勢を打ち出していた。粘り強い交渉を宣言しているNHKサイドの思いを、むげにするわけにもいかなかったようだ。

 「快諾」に傾くこともなかった。過去の紅白や今夏の歌番組を辞退した事例の壁が高く、最後だからといって覆すのは容易ではない。デビューから25年にわたり紅白はもちろん、数々のエンターテインメントの場で、もまれながら成長してきた5人は、周囲が「大トリで有終の美を飾ってもらいたい」と期待していることは十分に理解しているだろう。ただ、分裂・解散騒動から一度は前を向きながらも解散を発表した状況で、自身を中心とした“SMAPの紅白”になることには、遠慮があったと思われる。

 配慮と遠慮の間で時間は過ぎ、結果として、沈黙が“答え”として提出された。NHKは出場者発表後もSMAPの特別枠での出演に向けて交渉を続けている。NHK・籾井勝人会長(73)は1日の定例会見で5人の出場に「十分チャンスがある」とコメントしたが、現状では辞退から風向きは変わっていない。

 辞退か逆転出場か、それとも沈黙は続くのか。SMAPが出す“正式回答”が待たれる。(デイリースポーツ・上野明彦)

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