【スポーツ】青学大優位をひっくり返す新たな“山の神”候補は 箱根駅伝

 日本の新春を彩る東京箱根間往復大学駅伝が来年も1月2、3日に行われる。大本命とみられているのは、3連覇と史上4校目の大学駅伝3冠の懸かる青学大。学生長距離界のエースに成長した一色恭志(4年)を含め、圧倒的な選手層の厚さで出雲、全日本を快勝しており、原晋監督は「順調にきている。アクシデントがなければ、今回も学生のすてきな笑顔を大手町にお届けできる」と、自信をみなぎらせる。

 ただ、唯一の不安要素となるのが、“山の神”神野大地(現コニカミノルタ)が抜けた山上りの5区だ。今大会から4区、5区の距離が変更され、4区が18・5キロから20・9キロに延長、5区が23・2キロから20・8キロへ短縮された。それでも、駒大・大八木監督が「距離が短くなっても、区間1位と10位では4分ぐらいの差がつく。大事な区間に変わりはない」と話すように、大勢に影響を与える区間であることは間違いない。

 前回大会まで神野の存在で絶対的優位に立っていた青学大だが、原監督は「今年の青山に“神”はいません」と、5区での苦戦を覚悟。茂木亮太(4年)、貞永隆佑(3年)、梶谷瑠哉(2年)の3人が候補で「ただ、3人はどの選手も区間5番以内の力はある。区間賞から1分前後できてくれれば」と、青写真を描いた。

 最も恐れているのは、今度は他大学に誕生するかもしれない“山の神”。「他の大学に神野なみの“スーパー山の神”が出てきたら白旗。1区間で3分差がつくとしんどい。頼むから、今回は、神はゆっくりしていてほしい」と、山の神不在を“神頼み”していた。

 一方で“ジョーカー”の存在をちらつかせるのが東海大と駒大だ。強力なルーキーたちを擁する東海大は5区に、全日本大学駅伝で1年生ながら3区区間賞に輝いた館沢亨次の起用が有力。両角監督は「5区が一番差のつく区間。今年はそこで勝負したいなと思ってる。館沢は有酸素能力が高い」と、自信。青学大の原監督も「東海の1年生は怖い。(東洋大のかつての“山の神”)柏原も1年から上っていたから」と、警戒感を強めている。

 駒大は前回5区区間4位の大塚祥平(4年)の起用が有力だ。神野ら上位だった選手は卒業。今回は区間賞候補の筆頭に挙げられる。2年連続の山上りに備え、神野の腕の振り方を参考にするなど万全の準備をしてきた。「区間賞を取らないと優勝できない。取りにいきたい」と、気合は十分。大八木監督も「区間賞を狙いにいく」と、期待を懸けた。

 王者青学が盤石の走りで再び栄光を手にするのか、それとも新たな“神”の誕生が波乱を巻き起こすのか。勝利の鍵は、今回も山が握ることになるかもしれない。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

オピニオンD最新ニュース

もっとみる

    ランキング

    主要ニュース

    リアルタイムランキング

    写真

    話題の写真ランキング

    注目トピックス