【ゴルフ】畑岡奈紗、コーチも太鼓判を押す米ツアー1年目の可能性
女子ゴルフの畑岡奈紗(17)=フリー=の米女子ツアーデビュー戦が、来年の開幕戦・ピュアシルクバハマLPGAクラシック(1月26~29日、バハマ・オーシャンクラブGC)に決まった。同大会を皮切りに1年間を世界最高のツアーで戦うわけだが、1年目からどのくらいの結果を残せるのだろうか。
今年10月の日本女子オープン(栃木県・烏山城CC)を史上最年少17歳で制した時のプレーは圧巻だった。中でも最終日の18番。左に池が続く難しいパー4だったが、迷いなくドライバーを振り切り、フェアウエーをキープ。池越えのセカンドショットもピンをデッドに狙い、カップの奥4メートルにピタリとつけた。そして下りの難しいラインをど真ん中から沈めてバーディーフィニッシュ。栄冠を力強く引き寄せた。
安定したフィジカルと技術、強いメンタルがなくてはできないプレー。輝かしい未来を感じさせたが、中学1年時から指導している中嶋常幸も「奈紗の長所は集中力、スイングの再現性の高さ、そして飛距離。練習では音を上げないし、こちらが求めるもの以上のことをやってくる。物おじするところもない。これからが楽しみ」と将来性に太鼓判を押している。
もちろん、米ツアーはレベルもコースセッティングも芝質も各大会間の移動距離も、国内とは大きく違う。その中で、トップ集団でプレーするには、現在よりも相当なレベルアップが求められるだろう。それは本人は百も承知。年末年始のマレーシア合宿では、スイングの安定性、飛距離アップを目指し、ラウンドよりも下半身中心のトレーニングを多く取り入れている。その結果、ドライバーの目標平均飛距離は、現在より5~10ヤード増の260ヤードとなり、ロングヒッターぞろいの米ツアーでも互角に戦える状態にまで持っていける。
プロ転向前までアマチュアのナショナルチームで畑岡を見てきたダース・ジョーンズ・コーチはこう話す。
「奈紗は可能性として世界のNo.1プレーヤーになれるし、今でもトップテンに入る力があると思う。奈紗のいいところは、指導しやすいということだった。私の指示に対して常に準備ができていた。これは頭がよくないとできない。デビューした奈紗がリーダーズボードの上にいても、私は驚かない。課題はこの注目の中で、メディアとうまくやっていけるか。騒がれることを楽しめれば、いい選手になれるだろう」
畑岡は1月中旬に渡米する。海の向こうからの朗報が今から待ち遠しい。(デイリースポーツ・松本一之)