【野球】ヤクルト寺島51年ぶりセ高卒新人1年目の新人王獲得なるか

 高校ナンバーワン左腕として、鳴り物入りで入団したヤクルトのドラフト1位・寺島成輝投手(18)=履正社。投手陣の不調で16年は、5位と低迷した事情もあり、球団は“即戦力”としても期待している。

 背負った使命を本人も、自覚していたのだろうか。先月12月8日に行われた入団発表。寺島は、期待の大きさの表れである背番号18のユニホームを身につけた。そして「開幕1軍にいること、新人王を目指したい」とルーキーイヤーの目標を掲げ初々しく目を輝かせた。 高卒1年目投手の新人王獲得は、難関だ。セ・リーグでは1966年に堀内恒夫(巨人)が成し遂げたのが最後。寺島が17年に新人王に輝いた場合、セでは51年ぶりの快挙となる。だが決して夢物語ではない。

 チーム事情と直結する。ヤクルトは16年に両リーグワーストの防御率4・73で、2桁勝利を挙げた投手はゼロだった。17年も石川、小川、山中がローテ候補。今オフに先発候補のブキャナン、オーレンドルフを獲得したが現状では、未知数。制球力など完成度の高さにも定評がある寺島が、先発の駒不足のため投入される可能性は高い。

 真中監督は、寺島への期待の大きさを隠さない。「早い段階で使うイメージはありますね」と構想を思い描く。「開幕からローテで投げてくれるイメージを持っています」と明言したこともある。

 やはり開幕ローテに入り、1年間守ることが新人王への近道。その条件は何か。伊藤投手コーチは「技術が1軍レベルであることが前提」とした上で、「1年間、戦える体力があるかどうかですね」と説明。新人合同自主トレや春季キャンプなどで見極め、総合的に判断する。先発ローテ入りの場合、「週1回100球投げてくれれば十分」との考えを示した。

 他球団は1年目から1軍マウンドに上がることも想定。セ他球団のスコアラーは、高卒1年目で27試合に登板し、4勝(8敗)の楽天・松井裕を引き合いに出し、「松井より実力的には上。故障しなければ、出てくる。マークしないといけない」と要警戒マークを付けた。

 当然、寺島は将来のエース候補。金の卵をじっくり育ててふ化させる、という方法もある。今後、出てくるであろう周囲の“慎重論”を黄金左腕が、実力で吹っ飛ばすことができるのかにも注目したい。(デイリースポーツ・伊藤玄門)

関連ニュース

編集者のオススメ記事

オピニオンD最新ニュース

もっとみる

    ランキング

    主要ニュース

    リアルタイムランキング

    写真

    話題の写真ランキング

    注目トピックス