【芸能】大河「直虎」春風亭昇太の怪演が話題「笑点」とは真逆の役柄

 今年のNHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」が8日にスタートした。すでに予告編の時点で話題になっていたが、戦国武将・今川義元を演じる落語家・春風亭昇太が異彩を放っている。陽気なパブリックイメージを覆す怪演にネット上では「黒昇太」「気付かなかった…」と大盛り上がり。起用の狙いとは-。

 昨年12月にNHKで行われた第1話の試写会。記者も一足早めに見させてもらったのだが、子役たちの躍動ぶりもさることながら昇太の風貌に度肝を抜かれた。メガネも眉毛もなく、まったくしゃべらない…。のちに三浦春馬が演じる井伊直親(幼名・亀之丞)の父、直満を一言も発さずに殺害させるなど極悪非道なキャラクターが一瞬にして伝わった。

 試写会終了後、制作統括の岡本幸江氏を囲んだ際、真っ先に昇太の配役について聞いた。主人公たちのいる井伊家に対し、大きな影響力を持つ今川家のドン。大河の数時間前に放送される「笑点」での司会ぶりとは真逆ともいえる役柄について、岡本氏は「昇太さんはメガネを外すとクレバーな目をしている。噺家さんなので一言もしゃべらないとかえって怖いかなと思った」と起用理由を説明。身ぶりの指示をおつきの人が実行する設定で「第3話の一言くらいしか、しゃべらない」というから驚きだった。

 静岡県出身で故郷ゆかりの武将に対する昇太自身の思い入れも深い。昨年7月に出演が発表され、会見に登場した際には今川家の家紋入りの着物姿で「今川家は本当に大好き。愛している」と熱弁。桶狭間の戦いで織田信長に敗れる今川義元について「これまではダメな人間として描かれることが多かった。今回はそうではない」と名誉挽回の任を背負い、意気込んでいた。

 大河ドラマは「軍師官兵衛」「花燃ゆ」に続き3回目。会見では「これまでも大河に出てましたが、みなさん覚えてないでしょ?メガネ外すと誰だか分からないんです」と笑いを誘っていたが、ところがどっこい、今回のインパクトは大。新たな今川義元像を提示する、渾身の怪演から目が離せない。(デイリースポーツ・古宮正崇)

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