【スポーツ】∞刀流?本田望結の進む道は…大忙しの12歳
「オフ」なんて言葉は、彼女の辞書には存在しないのかもしれない。女優として活躍するフィギュアスケーター・本田望結(京都醍醐ク)。12歳、小学6年生にして、ドラマの主役をこなす売れっ子女優であり、同世代の日本一を決める全日本ノービス選手権では6位入賞する実力の持ち主だ。
テレビで見せる小学生らしからぬ演技力は、氷上でも健在。表情や指先の動き1つ1つに引き込まれる。それでいて、ジャンプなどの技術も向上中。所属クラブのコーチも「最近グッと伸びた」と太鼓判を押していた。
仲良しの姉は、昨季の世界ジュニア女王・本田真凜(15)=関大中。主にシニアの選手が出場する全日本選手権で4位に食い込むなど、存在感を強めている。正月は家族そろって過ごしたというが、望結はとにかく大忙しだった。
年末は家族で毎年恒例の温泉旅館に行くも、31日始発の新幹線に乗り、望結は東京へ。紅白歌合戦にゲスト出演。1日は東京のリンクで練習してから京都に戻り、家族で初詣へ向かった。4日には東京で開催されたアイスショーのイベントに出演。その間、所属リンクの初滑りや初詣にも参加するなど、ゆっくりの「ゆ」の字すら感じさせない大忙しぶりだった。
にもかかわらず、望結は「楽しい」と笑顔で言う。報道陣が「大変でしょう?」と問いかけても、一切の嫌みを感じさせない口調で「そう言われるのは悲しい」と答えるのだった。「フィギュアスケートとお芝居、2つのことをさせてもらっているので、中途半端にならないように頑張りたい」と。何事にも全力で取り組むのは、望結にとってきっと当然のことなのだろう。
フィギュアスケーターなのか、女優なのか、はたまた主婦になるのか-。具体的な将来像はまだ描けていないようだが、自分が小学生の頃を振り返ればそれも当然だろう。むしろ比べるのも申し訳ないほど…。「全部が生かされていると信じて、嫌いになるまで全部を頑張りたい」と言う望結の全力を、記者も見守りたいと思った。
ちなみに、今年の目標は「自分らしく」だという。日本ハムの大谷選手もそうだが、彼女を見ていると、そもそも“二刀流”という考え自体がナンセンスなのかも知れないと感じる。「5年後、10年後、どんな自分でも、私は大好きです」と望結。望結にしか歩めない道を進む決意を見た気がした。
とはいえ、5年後はまだ17歳。10年経っても22歳…。うーん、やはり彼女の可能性は無限大だ。(デイリースポーツ・國島紗希)