【野球】センバツから二段モーション解禁の高校野球 各校監督が歓迎 苦しめられていた“壁”なくなり覚醒する球児は現れるか?

 今春のセンバツから高校野球でも二段モーションが解禁される。これまでは中学、大学で認められていた中、高校野球だけ投球フォームに制限が設けられていた。センバツに出場する各校監督は指導の幅の広がりを実感しており、二段フォームの“壁”に苦しめられていた選手の中から、逸材が現れるかもしれない。

 二段モーション解禁が、一部の球児にとっては転機となるかもしれない。日本高野連は2月9日に高校野球特別規則に記載していた「(27)投手の投球姿勢」と「(28)反則投球の取り扱い」の項目を削除することを発表。今春のセンバツ、春季地方大会から適用されることになった。

 これまで中学、大学では認められていた二段モーション。高校野球でのみ認められていなかったため、中学から進学した際に規則に抵触するであろう球児のフォーム変更が余儀なくされていた。前任の東海大相模を春夏通算4度の甲子園優勝に導いた創志学園・門馬敬治監督(54)も、実際に二段フォームの矯正指導を行った経験者の1人。「今までダメだったものが新しくなった。選手としての幅も広がると思います」と規則の変更に前向きな意見を示した。

 昨春センバツ準優勝の報徳学園・大角健二監督(43)も「本当に自分の力を発揮できた子がいたかもしれない。大賛成ですね」と声を弾ませた。高校入学までに体になじんだフォームを矯正するのは、簡単なことではない。二段モーションを封印したことによって、本来のパフォーマンスを出せずに終わる球児も過去にはいたはずだ。

 「そういうフォームで入ってきた子が高校で(矯正をしても)ダメで、つかめないままだった子もいる。注目して見てやらないと」と指揮官。既に同校では入学時に矯正したフォームから二段モーションに戻した球児もおり、恩恵を受けるであろう投手の伸び代に目を向けた。

 二段フォームは軸足に体重を乗せて投げやすくなるメリットがある。投手によっては体の出力を出しやすくなる動きであり、高校球界では解禁前からもフォーム改善の練習方法として取り入れられてきた。大阪桐蔭の西谷浩一監督(54)は昨秋ドラフト1位でソフトバンクに入団した前田悠伍投手(18)を例に出し、「前田とかも軸足にたまらないことがあった。どのピッチャーもそうやって練習する方法の一つ」と説明。「それで投げられるようになったのでありがたい」と話した。

 二段モーション禁止に苦しんでいた投手にとってはかなりの追い風となる今回の規則改正。“縛り”が解けたことにより、覚醒する球児が現れることに期待したい。(デイリースポーツ・北村孝紀)

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