【野球】岡田流キャンプに応えた阪神・糸原の存在感 あえて2軍スタートのベテランがもたらした相乗効果

 阪神・岡田彰布監督(66)は今春キャンプで、実績のある選手を2軍で調整させた。若手と経験ある選手がともに汗を流す中、糸原健斗内野手(31)はグラウンドで声を張り上げるなど、若手に好影響を与える存在となった。刺激を受けた高卒4年目の高寺は実戦で結果を残し、3月上旬には1軍に昇格。チームに好循環が生まれる形となった。

 岡田監督の狙い以上の相乗効果が生まれているようだ。今春キャンプではベテラン、実績組が調整を一任され、2軍からスタート。投手陣では岩崎、岩貞、加治屋、島本、野手では原口、糸原が具志川で汗を流した。

 「2軍キャンプは初めて。若手に負けないように」。そう意気込んでいた糸原は場所が変わっても元気ハツラツだった。グラウンドでは人一倍、声を張り上げ、若手を引っ張る。具志川を訪問した阪神OBの糸井嘉男氏(デイリースポーツ評論家)が2軍キャンプで目立った選手に「ベテラン、糸原!」とジョーク交じりに名前を挙げたほどだ。

 キャンプ中には原口と話し合い、珍しい「野手会」を開催し、若手との距離を縮めた。「自分の調整と向き合う時間になった」。仕上がりは上々だ。朝5時半に起床。練習前はウエートトレで汗を流し、夜10時には就寝する。第4クール(2月16日)から1軍・宜野座キャンプに合流するまで納得の練習を重ねた。

 その姿に刺激を受けた一人が高寺だ。「やっぱり練習に活気あった」。糸原らと過ごした期間を振り返り「声のバリエーションがいっぱいある。マジメにいきつつ、くだけることもあって。できそうでできない。だからすごいですね」と尊敬のまなざしを向ける。

 2020年ドラフト7位で入団し、22年には1軍・宜野座キャンプに抜てきされた高寺だが、昨季は1軍出場ゼロ。糸原も「いい選手」と認めつつ「もったいない」と感じていたという。ただ、今春はキャンプから実戦で打ちまくり、3月の教育リーグでも打率・455とアピールに成功。8日から1軍に合流すると、同日のヤクルトとのオープン戦(甲子園)では途中出場で2点適時打を放ち、岡田監督に「一番いい場面で打った」と言わしめた。昨年は小野寺が2軍・具志川スタートからはい上がり、1軍戦力になった。高寺も殻を破り、岡田監督が待望する“新戦力”となる可能性は十分にある。

 糸原は1軍合流後も存在感を発揮。試合だけでなく、練習でも先頭に立ちチームに活気をもたらしている。若い選手が多い中、今季も欠かせぬ戦力だ。ベテラン、若手が融合し、岡田監督が言う「2024年の新しい強いタイガース」へ、少しずつ変貌しつつあるようだ。(デイリースポーツ野球担当デスク・杉原史恭)

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